トップページ社長通信第75号 人種別文化を尊重する豪の墓地事情 多民族国家存立の要諦を物語る

社長通信

第75号 人種別文化を尊重する豪の墓地事情 多民族国家存立の要諦を物語る

1994年05月号

連休を利用して、夫婦でオーストラリアを旅行してきました。2人きりの初めての海外旅行で8日間、24時間一緒でしたから、31年間夫婦をやっていても互いの考え方、性格の差が出て色々と大変でした。特別に喧嘩をしたわけではありませんが、新婚カップルの成田離婚が理解できました。シドニーのホテルで、ソファーの向かい側に座った新婚らしいカップルの女性が、連れの男に向かって「あんたの顔など見たくない。あんたなんか最低…」、男は黙ったまま。反対側に座った私の方がバツが悪くなり席を立ちました。私なら成田離婚になったでしょうが、あのカップルはどうなったか気になります。新婚旅行はどれほどの愛を以て結ばれた2人であっても、20数年別々の人生を歩んできた男女が、四六時中一緒にいるのですから、習慣、性格、能力の違いが一瞬にしてぶつかり合うのが当然で、ましてや言葉の不自由な外国では、ストレスも加わり、いらいらして喧嘩しやすい状況にあるようです。結婚したら、相手の悪いところは片目で見ろと言いますが、現代の女性はそれほど我慢強くありませんから、長期の海外への新婚旅行は考えものです。
今回は全くのプライベートのつもりでしたが、オーストラリアの霊園を見たくなってタクシーで見学してきました。行ってビックリ。入口は何カ所もあり、緩やかな傾斜なりに6m位の道路によって10カ所ほどのブロックがあり、1ブロックが2~3万坪はあったでしょうか。全体でゴルフ場1つ位の広さがありますから最低30万坪はあります。その上、驚いたのは、各ブロックが、人種ごとというか、宗教ごとに分けられていることです。中国人やロシヤ人墓地は、1区画が2坪ほどで、広さにはあまり差がありませんが、墓石にはお金をかけています。イスラム系の墓地はあまりお金をかけていません。オーストラリアやイタリヤ人の墓地はピンキリで、5坪はあろうかと思われる、高級な総ミカゲ石造りの屋根や扉付きの建物のお墓があるかと思うと、レンガを積んだ壁に15センチ四方の穴を空けただけのお墓もあります。人種、宗教、風習、資産等の違いによって、これほどお墓に対する考え方の差を見ることのできる霊園は、ここをおいて他にないと思います。そのことより、いかに土地が安いとはいえ、この国が各人種にブロック割りをして、彼らの葬送に対する文化を尊重していることに感動を覚えました。人種の同化を進めながら、人種ごとの文化だけはきちっと守ってあげるという姿勢こそ多民族国家が成り立つ所以でしょう。また、工事をしている職人がいましたので、人種を聞いたところイタリア人で、墓石はイタリアから輸入しているそうです。大変よい勉強になりました。
大京が開発したケアンズというリゾート地に3泊。ここでは、どこへ行っても大京の息がかかっており、日本人の落とした金は、全て日本へ還流するように思えました。後はシドニーにいましたが、街は大変きれいで、ビルも一つひとつが個性的でありながら、街全体の調和を考えて建てられています。住宅も色調が統一されていて、日本の住宅街のバラバラな建物に慣れている私には、ものすごく羨ましく感じました。

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