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社長通信

第87号 襟を正す

1995年04月号

4月の中旬でした。霊園の許可が下りたばかりのある霊園のオーナーの方から当社に電話がありました。
その時電話に出た女性社員の応答がてきぱきとして熱意が感じられたという。「それだけでニチリョクさんの快進撃の理由が理解できました」とまで言ってくれました。
この霊園に許可が下りたという情報が同業者間に瞬時に伝わり、多くの石材業者がオーナーの方の所に押し掛けていました。この電話の応答の好印象が当社に契約交渉のテーブルをもたらしてくれたのです。
さらに、先方が驚かれたことは、どの石屋さんも取引条件をオーナーに提示してくれと言うのに、当社は様々な条件を提示し、その内客により販売協力の仕方が変ることを明示したことでした。
ビジネスの決め手は企画提案力、行動力、そして決断力ということになりますが、それらの力を発揮するテーブルを用意してくれたのはその一本の電話での応答だったのです。
もうすぐ朗報をお伝えすることができることを楽しみにしています。
石材業界に入って16年。当社は業界注目の企業になりましたが、その分、嫉妬も買っているに違いありません。人間の社会で一番恐いことは、他人の嫉妬です。日本社会は村社会、横ならび社会といわれますが、このことは「皆より飛び抜けない」、逆にいえば「出る杭は打たれる」ということでしょう。
調子に乗りすぎないこと。自分の分をわきまえること。言行に注意すること。目立つ存在になればこそ、他社以上に襟を正さねばならないということです。
米国の「アメリカンドリーム」は成功者を称え、自分もなりたいと努力して、それが叶えられる社会です。日本は年功によって頂点を極めることが善で、金持ちになることは悪いことのように成り金と卑しめられます。それでいてアンフェアーに稼ごうとする人が多い日本人の精神構造はどうなっているのでしょうか。
総合商社の某社は去る3月の労使交渉の冒頭に平均7.7%の、昇給ではなく減給を組合に通告しました。給与は必ず上がるという常識が、いよいよ常識でなくなりはじめた最初の年が今年です。
当社は成長が著しいため、中途採用が多いのですが、大企業にいたホワイトカラーは、総じて当社の給料より4~5割高い給料をとっていたと思われます。大企業のほとんどはバブルがはじけるまでは、土地や株の値上がり益が収益の一つの柱でした。もちろん他の要因もありますが、その収益によって市場価格より割高な給料を支払ってこれたのではないでしょうか。その土地も株も当分値上がりしそうにありません。
リストラなどで退職し、就職活動をすると、大幅な給料ダウンに狼狽するといいます。これは自分の「市場価値」を知らなかったことによるギャップではないでしょうか。したがって、他の会社では自分をいくらに見てくれるか絶えず自己判定し、自分の能力を高める努力を怠らないことが大切です。
それは会社からすれば、有能な社員が市場価格より安い給料になっていないか、注意を払っていかなければならないということです。販売の天才には他の人の何倍もの報酬が支給されてもよいのです。たとえ社長の私より多くても一向に構いません。
日本の高度経済成長の自慢のもと、これまで絶対的といわれていた「会社システム」の給与や人事システムに破壊が始まっています。また会社だけに限らず、最近の政治、経済、宗教、教育、文化の混乱は人間を含めたすべてのものの価値体系が、適正なる市場価格に移行する過渡期現象ではないかと思います。

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