トップページ社長通信第90号 責任

社長通信

第90号 責任

1995年08月号

今年も冷夏が心配されたましたが、梅雨明けと同時に猛暑がやってきました。暑いときは暑く、寒いときは寒く、メリハリがないと消費は伸びません。この暑さは景気にとってプラスと考えれば涼感が増すと言うものです。
先月は参議院議員選挙がありました。与党各党は惨敗でした。それにしても日本のトップの責任を取る感覚がなくなったことに対し、国の将来を憂うのは私だけでしょうか。今までの選挙制度が制度疲労を起こし、ダメになったから1年以上前に小選挙区比例代表並立制が成立したはず。然るに、解散もせず旧制度により選ばれた議員がいつまでも国政を担うこと自体、異常であり、議員は自分のことしか考えていないことの証左でしょう。
日本は根回し、稟議、会議の大好き国民です。これらを行うことにより、上から下まで能力、地位に関係無く、全員の合意や了解を得たという、一見大変民主的手段で事を決めているように見えます。しかし、私には将来起こるかも知れない問題の責任の分散を図っている様に思えてなりません。議論を交わした後の決議なら判りますが、結果が決まっている儀式としての会議の何と多いことでしょうか。
取締役会も株主総会もその典型です。そうした会議で、ことの是非を議論することはほとんど不可能で、大半の法人において形骸化していることは誰もが知っていることです。株式を公開している会社の株主総会などは、いかに短時間で終えたかによって、総務部長が評価されたりします。商法の定めがあるから、仕方なく株主総会を開催している会議ですから株主不在もいいとこで、これほど形骸化している会議は無いでしょう。
役所の仕事は前例主義です。新しい事にはめったに手を出しません。官僚主義の一番悪い点ですが、世の中が右肩上がりに自然成長しているときは、敢えて火中の栗を拾うより、前例主義、経験主義で許認可したり、行政指導した方が事故が無くて良いこともあります。しかし、今や経験したことの無い問題が次から次に発生し、その対応に政治家も官僚も右往左往している姿は滑稽でさえあります。
企業も大きくなればなるほど、官僚主義が蔓延するのは自然の摂理です。大きな組織は減点になることをしない限り、身分が保証される仕組みになっています。従って、前例主義、経験主義が保身には一番有効な訳です。
私は当社のトップとして、考え、決断し、行動をし続けてきました。場合によっては命を賭けた決断もありました。少なくとも責任回避を可能とする決断をしたことがありません。従って決断の結果失敗もありました。しかし、見切り千両とばかり、深手を負う前に撤退しています。この撤退は勇気のいることですが、責任を果たす手段の一つと思います。

会社情報
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-300-100 資料請求・お問い合わせ
ページの先頭へ