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社長通信

第106号 叱られ方

1997年01月号

いよいよ株式公開の年となりました。創業以来30年、ビッグになることだけを目的に事業を続けてきましたが、ようやく念願が叶いそうです。

昨今、不況不況といいながら、年末年始の海外旅行客は新記録でした。景気のバロメーターの尺度を変えないといつまでたっても、不景気ということになりそうです。日本は、今や工業社会から、サービス・情報化社会へと変身しているにもかからず、景気指標を工業社会の物差しで測っているため、ギャップが生じているのではないかと思います。

工業社会とは、消費者サイドに欲しいものがいっぱいあり、その需要を満たすため、安くて良い品を大量に供給する生産システムです。全ての家庭に必要とする商品が行き渡った今、物の生産額を主とした、工業社会の指標が正しい景気指標とは思われないのです。私は家内とスーパーによく行きますが、今や安い輸入品も交え、価格破壊が進み、皮膚感覚として物の価格は平均20%は安くなっています。量的消費高や情報販売額、サービス売上げ等の新しい指標を使えば、景気は悪くないはずです。悪いのは、消費者のニーズに添った商品の製造や販売及びサービスが出来ない企業、すなわちサービス・情報化社会に適応出来ないでいる企業と言えばいい過ぎでしょうか。

消費者サイドに欲しいものがいっぱいある時は、物を作ったり、店を開けば売れたわけです。しかし、贅沢をいわなければ、今ある物で間に合うという時代には、簡単には買ってくれません。知恵と努力がない企業は淘汰されるのが当たり前ではないでしょうか。こういうとすぐ弱者切り捨てだという人がいますが、これが資本主義であり市場経済です。それは自由競争であり、オープンでフェアな取り引きです。

年初のハワイヘの社員研修旅行で、ホテルのテレビを見ていましたら、あるゴルフショップが日本で700円の日本製キャスコのボールを300円で販売する宣伝をしていました。船運賃が余分に掛かる海外で、半分以下の値段で売っているのを見て感じることは、海外では、300円でないと競争に勝てないことです。一説に、日本の輸出企業は利益の9割を国内販売によって稼いでいるといいます。輸出は工場の稼働率を高め、生産性を上げる手段に過ぎないわけで、日本の消費者を舐めているといわざるを得ません。こんなカラクリがあるわけですから、世界一の高収入の日本人が、一向に豊かさを感じられないのです。

ワイキキの通りに軒を並べるブランド商品専門店は、高い値段に慣れ切った日本人相手の商売に徹していました。外人なら金持ちしか買わないブランド品を、親の脛かじりがスパスパ買うわけですから、日本人ほど美味しいカモはいないはずです。

利は元(コスト)にありという言葉があります。世界一豊かなアメリカより2倍も高い給与を取る日本が、輸出によって外貨を稼ごうとしたって、いつまでも続くものではありません。その高コストを吸収するため、高付加価値商品といって、めったに使わない、操作が難しいものをごてごて付け、値段を高くして売ってるわけですが、そんな商売もそろそろ飽きられてきたようで、東南アジア製のシンプルな製品がどんどん入ってくるようになっています。

ところで、私の30年の社長生活を省みて、大変なことに気づきました。第1は「部下の叱り方をしらないこと」ですが、考えてみれば、「叱られ方を知らない」のです。子供の頃、親に叱られはしましたが、上司を持ったことがありませんので、叱られたことがありません。従って、叱られ方を知りませんので、叱り方が下手なのです。第2は、上司がいませんから「褒められたことが無いこと」です。時たま、他人から褒められてもくすぐったく思うだけで、褒められた時の喜びを知らないのです。従って、褒めることが苦手です。山本五十六の言葉に、「やってみて、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、部下は動かじ」という、有名な言葉がありますが、私自身は全て自分で考え、決断し、実行してきましたから、この言葉は何か部下を小馬鹿にしている様に聞こえるのですが。

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