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社長通信

第116号 価値観

1997年10月号

人は私のことを称して「口八丁手八丁」と言います。褒められているのか、けなされているのか知りませんが、何でも器用にそこそここなす男であることを自分でも自覚していますから、多分当たっているのでしょう。
12月の発行予定で、友人が会社と私の歴史を中心に書いた単行本を出版します。取材回数5、6回。数十時間に渡り私の過去を取材されることになりました。子供のころから計算すると、手がけた仕事が15はあり、あらゆる部門でちょっとだけ経験をしており、従って世の中に存在する大抵の商売についての知識が少しはありますから、口八丁手八丁はあながち間違ってはいないようです。
新しい仕事をする為、古い仕事を捨てることを続けてきた人生を振り返ってみると、絶えず停滞することを嫌い、変革の歴史だった様に思います。新しいビジネスを始めるにあたり、決してその道のプロを招請するとか、教えを請うとかしたことがなく、ましてや経営コンサルタントに経営指導をお願いするなどと言う、お金の無駄使いをしたことがありません。新しいビジネスは、今までの業界のしきたりを無視し、仕組みをぶち壊すことからスタートした――――これが、私の起業理念のような気がします。どんな業界も、業界ルールを無視した他からの参入者を歓迎する訳はありません。即ち、業界のルールや仕組みを守ることによって、自分も守られてきたのが日本の産業界だからです。専門家(プロ)は一つの決められた仕組みの中にいてこそ、その経験や能力を十分に発揮できます。決してその仕組みを変えない、変えたくないのが専門家ですから、その仕組みを無視して業界参入する当社が素人呼ばわりされるのは当然なことです。
日本は排外文化の国と言われます。日本は欧米諸国とは価値観が違うのだ。我が国になじまないことは悪であり、自分たちのやっていることは全て善であると言う奢りが日本人にある様な気がします。外のことが見えない、否、見たくない気持ちが我々に無いと言えるでしょうか。天然原料の洗剤が環境破壊のない、地球に優しい洗剤として売上が伸びています。ところがインドネシアのジャングルがどんどん焼かれ、そのあとに洗剤の原料となるヤシの木を植え、その油を主に日本に輸出しているそうです。結果はマレーシアやシンガポールの周辺国まで、飛行機が落ちるほどに煙に覆われる環境破壊を、間接的に日本が行っている訳です。同様に、安いパルプを輸入して製紙原料としていますので、新聞雑誌などの古紙はタダでも引き取ってくれないほどに安くなっています。こんな日本がどうして諸外国とは文化が違うなどと威張れるでしょうか。確かにアメリカはでしゃばりです。彼らの価値観を押し付けてくる傲慢さがあります。我々日本人は彼らの価値観に基づくルールに則り、彼の国に日本製品を売りつけ、稼いだドルを使って発展途上国から原材料や食料、或いは製品を買い付けてきました。私はこれが国際ビジネスだと理解しながら、このビジネスの中に日本人の姑息さをどうしても感じるのです。即ち、相手のことを考えない、目先のことしか気付かない・考えない、地球規模で物をみない、自分の主義主張をはっきり言わない日本人をです。このことは、日常生活の中でも言えることで、私などは物事をはっきり言い過ぎると非難されることが多々あります。相手に物事をはっきり言うことは、相手を傷つける場合もあり、その気遣いが昂じて、何が正義かを忘れてしまい、社内の人間関係や上下関係を重んじる余り、不正をも許すとんでもない事件が多くの会社で頻発していることはご存知の通りです。
私の社長通信はもうすぐ丸10年を迎えます。毎月書くのはシンドイことですが、書き続けているのは、中途入社の多い当社の皆さんに、私の考えを披瀝して、多様な個性集団ではあるが、価値観だけは共有したいと願うからに他なりません。

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