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社長通信

第162号 学習効果

2001年08月号

 今年の8月は11日が土曜日であったため、6日間も軽井沢で過ごした。家内と娘、そして6歳と5歳の孫娘との生活であった。当初孫たちは家内に24時間べったりくっ付いたままであったが、3日目頃から私とも遊ぶようになり、孫たち3人と軽井沢銀座を散歩するまでになった。朝の9時にはどの店も開店していて、孫にとっては欲しい物がいっぱいある筈。ところが、私が、ソフトクリーム食べたくないか、このオモチャ欲しくないかと言わない限り、全く欲しがらない。飽食の時代に育っているので欲しいものが無いのかと思ったら、オモチャは誕生日とかの記念日以外は買ってあげないことが娘の躾らしい。

 我が日本は、56年前の戦争の廃墟から立ち直り、欧米先進国に追いつくべく繁栄を求めてがむしゃらに働きつづけた。繁栄の実感は電化製品を始めとして、主としてアメリカ人が享受している物質的豊かさを手にすることであった。便利な生活をすることが豊かさの象徴であり、企業も大量生産、大量販売によりそのニーズに応え続けた。効率の良い日本の生産システムは、安くて品質の良い製品を生み続け、大量の外貨を稼ぐことにもなった。サラリーマンの収入も、経済成長に合わせ増えつづけることが当然とされた。ところが、物質的豊かさが満たされ、欲しいものがなくなると、不足しているのは土地だけとばかりに国内を始めとして海外の不動産まで買い漁る投資に走り、「1億総不動産屋」と言われたバブルを迎えた。そのバブルが崩壊したのが10年前。その後の土地価格の暴落が景気循環論では説明しきれない異常な不況を招き、「失われた10年」となった。「投資の怖さ」と言う学習効果は余りにも強烈で、庶民は投資に一切手を出さなくなった。

 私の娘は社会人となる頃にバブルが始まり、結婚後その崩壊を経験していて、一等バブルの影響を精神的に受けた世代ではないかと思います。そんな娘も嫁入り前までは、門限が9時。子供の頃、親からのプレゼントを買ってもらえるのは、誕生日とクリスマスだけ。長男と二男の間に生まれた為、何かと我慢させるのは先ず娘から。そんな娘の子供ですから、欲しいものを何でも買ってもらえるとは思っておらず、自分から買ってと言わないのではと思うのです。

 戦後50年の間に日本人の脳裏には、収入は増え続けるもの、物価は上がり続けるものという高度経済成長時代の常識が深く刻み込まれました。ところがここ数年、物価は下がり続け、収入も増えなくなりました。工場は安い労働力を求め海外へ移転し、そこで作られた安い商品が輸入され、部品も製品も安い海外製品に置き換える企業が増え続けた結果です。また生産性の向上、工場の海外移転や輸入の増加によって労働力が余ってくれば需給のバランスが崩れ、賃金が下がるのが労働の市場経済です。即ち余っているものは下がり、足らないものは上がる。しかし、日本の労働市場においては、年功序列・終身雇用制度、更には生産性の悪い社員をも雇用できる高度成長によって、良い悪いは別にして市場論理が正しく機能せず、まさしく雇用の社会主義―賃金の平等主義がまかり通っていました。これがある意味で日本の美点でもありました。

 これからは人材流動の時代になります。超大企業が中高年のリストラをしながら、片や優れた人材の中途採用も続けています。家族主義の松下電器でさえ例外では無くなったのです。一定の人件費率の中で、成果配分が不可避となれば、給与の格差が拡大することになります。実力主義と云われる外資系企業に入社して、結果を出せずに退職している人が多いことを見ると、成果主義・実力主義が如何に厳しいものか想像に難くありません。成果主義は営業職だけに限ったことではなく、日本人はこれからその学習をしていくことになります。得てして成果主義は悪しき個人主義がはびこり、社内の人間関係を殺伐なものにすることがあります。しかし、どれほど仕事の出来る人も同僚の協力なくして一人で出来る仕事は何一つありません。7月度の個人成績トップを出した浦和支店は全員がライバル意識剥き出しで頑張っており、絶えず個人でも団体でも成果を出し続けています。それでも、支店内はコミュニケーションが取れていて和気あいあいの雰囲気があり、トップインタビューにもある如く、林君にみんなが協力してあげたればこそ、トップの座を獲得できたのではないでしょうか。組織ではチームワーク無くしては個人ひとりの実力を発揮できないことも厳然たる事実です。個人が実力を発揮する為にはチームワークが一等大切である、ということを実践の中から学習しているのが浦和支店ではないかと思います。

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