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社長通信

第175号 プラマイゼロ

2002年09月号

 上半期もあと少し。昨年同期は1億2千万円強の赤字になったため、不採算支店の閉
鎖や仕入れルートの見直し等抜本的改革を行い、売上げ総利益率で4%の改善、販売
管理費で21%の削減ができ、利益がきっちりと出る体質となりました。このことか
ら、当社の社訓にある「企業は無駄を省けば必ず儲かる」ということが理解いただけ
たと思います。

 私はプラス・マイナス・ゼロという人生観に立っています。
 昭和30年代後半からの高度成長期には、日本の企業は少々の無駄があっても利益の
でる時代でした。しかし、バブル崩壊後はそのつけが重くのしかかり、未だトンネル
の入口か、中か、出口かも分からない未曾有の不況を迎えています。日本全体で見る
と、ジャパンアズNO.1と言われて舞い上がっていたバブル期の景気の山はヒマラヤク
ラスでした。山高ければ谷深しです。ヒマラヤの高さに見合う厳しい谷の経験しなけ
ればならないのに、それを避けて小川程度の浅い谷を下り続け、バブル崩壊後10年を
経ても平地にたどり着けない(不況の出口が見えない)と言うのは当然です。

 私の学生時代からの親しい友人の会社もこの1年間に2社倒産しましたが、彼らは、
バブル期までは順風満帆だったと思います。それが還暦を過ぎて全てを失うことに
なったのですから大変です。

 当社だって同じです。昭和41年に創業して、今年で36年になりますが、ちょうど高
度成長期の入口の時期に設立したわけです。その間、失敗や成功を繰り返しながら
も、ここまでやってこれたのは、右肩上がりの経済成長の中で、多少の失敗はちょっ
とした成功でカバーできたからでした。しかし、最近になって利益の出づらい体質に
なったために、昨年10月から支店閉鎖も含め、徹底した組織改革を進めたのは前述の
通りです。

 私個人を考えても、昭和38年に大学卒業後父親の会社へ入社し、その翌年に会社が
倒産。わずか24歳にして血の小便が出るほどの苦労を味わいました。そのとき何が原
因となって企業が倒産するのかを身をもって経験することができたおかげで、今日の
私があると思っています。

 現代の若者は、あらゆる物が溢れる時代に生まれ育っています。欲しいものは何で
も手に入るのが当たり前になっています。従って、努力や苦労することを知らないよ
うです。戦前生まれの私や家内は、二度と着ない衣類、不要の日用雑貨、余ったおか
ずも「もったいない」と、なかなか捨てられません。子供のころは、電子ジャーも冷
蔵庫もありませんでした。ご飯などはちょっと匂いを嗅いで、少々の腐臭くらいなら
食べたものです。肉屋で売っている牛肉でさえ、山椒をかけて腐臭を誤魔化していま
した。それで下痢をすることも無かったし、肉などは腐りかけの方が美味いと肉屋に
強弁されたものです。それが、若い人たちは賞味期限がほんのちょっと過ぎただけで
も簡単に捨ててしまいます。賞味期限と言うのは美味しく食べられる期限であって、
食べられないということではないのです。また保管状態によってかなりの差があるは
ずです。自分で匂いを嗅いで判断するのではなく、記入されている期日だけで判断す
る安易さは羨ましい限りですが、いずれその贅沢(?)のツケを払わされる時が来る
のではと恐れます。

 アフガニスタンには日給わずか23円(230円ではありません)の労働者もいると聞
きます。狂牛病問題で何万トンもの牛肉を焼き捨てることになっていますが、狂牛病
の恐れがあることを了解の上で、アフガンにあげることが出来ないのだろうかと思い
ます。狂牛病どころかもっとひどい食べ物でさえ口にすることの出来ない彼らは、食
べた人が狂牛病になる恐れがあると言う程度の肉なら喜んで受け取ってくれると思う
のですが・・・。

 この様に、世代による運不運もプラ・マイ・ゼロと言うのが私の人生観です。「可
愛い子には旅をさせよ」という諺がありますが、苦労をさせよということです。苦労
が多かった分だけ、喜びも多くなるという経験をすることによって、人は感動ある人
生を送ることができます。今の若者は無感動と言われますが、大人が可愛そうだと彼
らから苦労を取り上げてはいないでしょうか。

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