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社長通信

第176号 謀略

2002年10月号

 小泉改造内閣が発足して1ヶ月。日本経済解体内閣に相応しい陣容です。経済の構造改革をする前に政界、官界の改革をすれば、財界も自ずと追随すると思うのですが、所詮、為政者とお上は殿上人。小泉さんも竹中さんもアメリカの回し者じゃないかと思うほど、アメリカの意向通りの政策を行っています。グローバルスタンダードが時代の流れとは言え、アメリカンスタンダードである点が気に入りません。
 市場のルールだけはアメリカと同じで、法律は日本独特。特に税法においては日本独自の、それもアメリカより数等厳しい税率という足かせを付けたまま、同じ土俵で戦えと言うのですから堪りません。日本の税法は、国民の生活レベルが全て均一になるような累進課税であり、法人税も「儲けることは悪」というスタンスで課税されます。
不動産取得税・保有税・譲渡税等にいたっては「不動産は持つな」と言わんばかりの悪法です。グローバルスタンダードに合わせるなら、少なくとも税法だけは同じであるべきです。
 また日本人がアメリカ人と大きく違う点は、リスクを背負わない民族性です。安全なのは預貯金だけと言う点です。日本人はアメリカ人ほど博打好きではないのです。「投資よりも預貯金」という国民性は、日本の文化でもあります。そのため、日本の企業は、直接金融(投資)より、間接金融(融資)に頼ろうとする傾向があります。かつては、その間接金融の担保として、土地に絶対的な価値がありましたが、それがずたずたにされたのですから、不良債権と化すのは当たり前です。狩猟民族にとって獲物が獲れなくなった土地は何の価値もありません。我が農耕民族は、荒地を耕し、施肥し、肥沃にすることで土地の価値を上げ、子々孫々に相続するという習性を持っていました。狩猟民族の子孫である欧米人は、自宅でさえ一生のうちに何回も買い換えますが、日本人にその習性はありません。彼らにとって、家は単なる商品であり、売ったり買ったりは当たり前の行為なのです。
 狩猟民族は、獲物を見つけると謀略の限りを尽くし弱らせ、弱ったところで襲い掛かって餌食にします。アメリカが不良債権処理を急がせるのは、金融機関を初めとする日本の大企業、即ち経済を弱体化させようとしているように思えてなりません。その餌となる資金は彼らの金ではなく、相当部分は日本が買ったアメリカの国債などの債券や証券等の購入資金ですから、尚のこと頭にきます。
 何百億もかけて作ったあげくに倒産したゴルフ場やリゾート施設が数億から十数億円、倒産した金融機関も何十億円、ビルも数億~数十億円と言うように、どれも原価の数十分の一の価格で買い取り、軌道に乗ったところで数十倍、数百倍にして売り抜ける。不動産も証券化するのは、売り易くするためでしょう。彼らの狙いは、日本人の金融資産1400兆円にあると思います。彼らの習性や戦略を考えず、唯々諾々と彼らの謀略に乗り、不良債権処理を急ぐ政府。確かに潰した方がよい会社もありますが、日本の企業社会は、中小企業で成り立っていると言われるように、裾野が広がった構造となっています。そのため、大企業1社だけの処理だけでは済まないところがあり、不況が益々深刻化するのは確実です。身近に失業者をみれば国民の気持ちは萎える一方で、元気が無くなるのも当然です。それが又不況を加速させるという悪循環にはまってしまう。あえて言えば、時期が悪すぎるのです。これほどデフレが進行しているところへ、倒産が続けば恐慌になり兼ねません。
 今の日本の不況下で、経営者、特に金融機関の経営者の自信喪失が大きい様に思われます。政治家は政策の失敗で責任を取ると言ってもただ辞職するだけ、役人は出世が止まるだけです。ところが経営者は、経営判断を間違うと経営責任が問われ、賠償責任まで負わされることもあります。
 デフレは不況だけの性ではありません。冷戦が終結し共産圏の低開発国、特に中国が生産基地となった今、日本の10倍以上の労働人口、且つ10分の1以下の賃金で生産し、輸出するのですから、どんなに頑張っても円安にならない限り物価は上がりません。そのため、不良債権処理を行ったからと言って、景気が回復し、デフレから脱却するとも思えません。
 これから始まる不良債権処理の進め方次第で、小泉さんは祖国日本の破壊者としてか、はたまた、祖国中興の祖としてか、どちらにせよ日本史に大きく名を残す総理大臣になることは確実です。

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