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社長通信

第180号 180号

2003年02月号

 とうとう以石伝心も今月号で180号を迎えました。昭和の時代から続けること実に15年。はじめたのは、ちょうど支店展開を始めたころです。会社も次第に大きくなり、常時、顔を合わすことが難しくなってきた社員に、私の考えを伝える手段として始めたのが社長通信ですが、15年も続けると社長を辞めない限り廃刊出来なくなってしまいました。毎月が矢のように過ぎていく昨今は、何をテーマにしようかと考えるだけで億劫なものです。もの書き家業でも毎月テーマを変えてとなると大変なのに、大学での専攻が機械であった私にとってどれほど大変なことか、察していただけると思います。まあ、何でもそこそここなす私ですから、この拙筆をずうずうしくも当社関係者にもお送りしているわけです。
 いずれにしても、当社のような中小企業においては、社長のポリシー=会社のポリシーとなるわけですから、社長を続ける限り私の考えを書き続けたいと思います。

 また、今月20日は株式を店頭市場に公開して5周年になります。当初、公開は1997年12月11日が予定日でした。主幹事証券会社は山一證券と決まっていました。公開準備を全て終え、あとは公開日を待つ日々であった11月、三洋証券、北海道拓殖銀行の倒産が続き、金融恐慌の兆しさえありました。その24日、山一證券野沢社長の名セリフ(?)「社員は悪くありません。社員の再就職を宜しくお願いします。」によって、山一證券の自主廃業を知ることとなってしまいました。主幹事が飛んでしまってからの2週間は、まさに地獄の2週間でした。店頭市場の上場審査は主幹事証券がすることになっていましたから、直ぐに次の主幹事を決めなければなりません。漸く、大和證券さんが主幹事を引き受けてくれましたが、審査に最低3ヶ月はかかると言います。公開の準備にどれほどのエネルギーを私たちが注いできたのか。それを更に3ヶ月延長してエネルギーを注ぎ続けろと言うのです。それでは体力・気力が持ちません。しかしながら、大和證券の審査担当者が正月返上で頑張ってくれたおかげもあって、何とか2月20日の公開にたどり着くことができたのです。

 当時、山一證券を主幹事として公開を予定していた会社は12~3社あったと思いますが、その中で1番最初に公開をしたのが当社でしたが、公開当日は喜びよりほっとした方が強かったのを覚えています。実際のところ、キャッシュで創業者利得は得ていませんから、金持ちになった喜びはありませんでした。企業の社会的地位を政治家に例えれば、店頭上場によってやっと都議会議員程度にはなれたかなと言う満足でしょうか。


 当社の公開のときもそうでしたが、世の中、何が起こるか分からない昨今です。公開会社であろうと非公開会社であろうと、法令やモラル違反があってはなりません。特に公開会社は公認会計士によって法令違反やモラルハザード(倫理感が無いこと)に対し厳しくチェックされます。最初に当社の公開審査を引き受けた山一證券は、飛ばしと言われる得意先の証券や債券の損失隠しや、簿外債務(正規の帳簿に載せない負債)が露呈したことによって、マーケットの信用を失い、破産に至ったことはご存知の通りです。それは、歴代社長の指示によって行われた不正ですが、それが露見しないように社長以下数人の役員によって不正隠しが行われていたようです。会社を守る為と言いながら、結局は会社を倒産させ、社員を路頭に迷わせ、株主や取引先に多大の損害を与えたわけですから、ここにも法令を無視し、問題を先送りした罪とモラルハザードを感じます。


 世の中のモラルに関してですが、最近、万引きや援助交際等、少年犯罪にまつわる報道を多く見かけます。万引きは泥棒であり、援助交際は売春であることは自明の理です。しかし、問題はそれらの行為を彼らや彼女たちが犯罪と意識していないことです。


 最近、本を万引きした少年が警察官に追われて電車に轢かれ死亡した事件がありました。万引きされた本屋は本が盗まれた被害者にもかかわらず、「本を盗んだ位で警察を呼ぶとはお前が悪い」と、が非難され、廃業に追い込まれかけましたが、これでは本末転倒です。

 少年たちが悪さをしても、親や先生でさえしからないことが、このような少年たちの犯罪を増長させている原因なのだと思います。親が子供にあげる小遣銭に不似合いな物を持っていても親は知らん振り。私の父は人の物を盗れば、それがたとえ兄弟の物であっても子供をぶん殴ったものです。我が子への体罰に子供の人権を振りかざす人達がいますが、悪いことをすれば叱られることくらいは身体で覚えさせるべきだと思います。まして援助交際と言う美辞(?)で行われる売春を経験した少女が母になった時、どのような子育てをするかを想像すると戦慄さえ覚えます。しかしながら、私たちの子供たちがこうした少年少女になってしまったのは、この社会が病んでいるからであり、為政者をはじめとする我々大人たちのモラルハザードのせいだと思わざるを得ません。

 結局は、高度成長時代にお金さえあれば幸せさえも買えるという錯覚をしてしまったことが、日本人がトラウマになった原因のように思います。

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