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社長通信

第183号 失敗

2003年05月号

 先日、第37期の決算発表を行いましたが、ニチリョク37年の歴史の中ではじめての恥辱にまみれた決算となりました。

 ニチリョク単体で、前年対比で売上げが25%、経常利益が29%の減収減益となったのです。これほど落ち込んでも、利益が確保できたのは原価低減により粗利益率を4.7ポイント改善、販売管理費を5億円低減(但し、売上げ対販管比率は3.7ポイント増加)、営業利益率を0.6ポイント改善した結果に他なりません。高度成長期は何が何でも売上げ第一で「借金も財産のうち」と言われましたが、バブル崩壊後の低成長時代に突入すると、売上げより利益、特に営業キャシュフローが重視されるようになりました。営業キャシュフローとは特定の期間にどれだけの現金を生み出したかを表すもので、多大の売掛や在庫によって利益がある様に見える経営では駄目だと云うことです。

  昨年5月に設立した子会社マッチングシステムズのアルバイト募集サイト「e-バイト」が、同年11月より稼動しました。しかし、当初求職者は最低3万人が必要と考えていましたが、求人求職者の募集がままならず、4月末で求人400社、求職者8000人というていたらくでした。この状態で求人求職双方の7項目にわたるマッチングをかけると、数人から数十人しかマッチしません。

 携帯電話で無料登録できるのですから、それほど広告宣伝費がかかるとは予想していなかったのですが、今後求人1000社、求職者3万人以上確保するためには未だ2億円以上の宣伝投資を必要とします。即ち、無名のe-バイトのブランド力を高め、登録を促進するためにはそれ位の投資が必要だろうと言うことです。

 元々このシステムを考案するにいたったきっかけは、3年前の「愛彩花模擬葬」やホテルでの「愛彩花祭壇」の展示で数十人の労働力が必要になった時、直ぐに集めることができるのはアルバイトの派遣しかなかったことでした。バイトが必要な時、求人者から求人条件にピッタリの求職者に求人メール、それも携帯メールに直接送信できれば、このような問題も直ちに解決できると考え、システムハウスに設計依頼し、一昨年7月より14ヶ月もかかって完成したものです。システム設計費に1億円以上かかりましたが、利益を生む状況になっていないため、会計上は全額費用計上(価値がゼロということです)し、2.4億円の赤字計上を余儀なくされました。従って、連結決算では800万円の赤字となってしまいました。

 このような状況下では、ニチリョク本体の利益確保のために、これ以上子会社の赤字を累積することは難しく、当該子会社を譲渡または清算することを決断しました。昨年10月、登録募集を開始して、未だ求職者が600人しか満たない頃、e-バイトのモニターを募集したところ、日曜日の夜間にも拘わらず市ヶ谷のホテルに80名もの若者が来てくれたので、このシステムの成功を信じて疑わなかったものです。しかし、気まぐれな若い人達の心をつかみ切れなかったことが失敗の最大原因です。また昨年の秋頃まで携帯の迷惑メールが氾濫したために、多くの人がメールアドレスを気軽に登録してくれないという、タイミングの悪さもあったと思います。更に求人者のパソコンの普及問題がありました。つまり、バイトを必要とするフード系や、販売系のお店にはパソコンが殆どおいてないのです。また、たとえあったとしてもインターネットに接続していないことが多く、その上、パソコンが普及している割には店長クラスがインターネットを自在に使えないということもありました。

 システムは成功しても、ビジネスでは失敗しました。当社のニーズから生まれた他に類の無い求人情報送信システムですが、時期尚早だったようです。私の見込み違いによって、多額の損失を出し、投資家や社員に損害を与えたことに深くお詫び申し上げる次第です。この失敗の責任として37年間の社長退職金の辞退を表明し、今日から当社のスタート時の心に立ち返り、再びメモリアル事業に専念することをお誓い申しあげるものです。

 一方、霊園部門でも一昨年上半期(9月期)に赤字を計上したため、10支店のうち不採算店3支店の閉鎖や統合をして合理化を進めてきました。さらに営業力や人材の育成のために副社長をヘッドハンティングし、新人の支店長も4名誕生しましたが、この1年間は長引く不況やイラク戦争の影響によって高齢者の方々が将来にたいして不安をいだくようになったことと、新人支店長のマネージメントの不慣れが重なって予算未達となったと思われます。予算を達成した朝霞、本郷、鹿児島の支店長が新人ではなかったところを見るとその感がするわけです。しかし、各支店共、4月から新たに新人営業マンも加わり意気盛んですから、連続して予算未達はない筈です。

 自分の目標数字にこだわりをもって挑戦し、良い結果をだすことが会社に対する皆さんの責任と義務なのです。是が非でも今期も15円配当を継続するために、頑張りましょう!

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