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社長通信

第189号 公約

2003年11月号

 小泉政権発足後、初めての衆議院選挙。自由党と合併した民主党との一騎打ちの結果がどう出るか、大変興味のある選挙であった。国債発行を30兆円以内と言いながら、36兆円も発行する公約破りをしたばかりか、大したことじゃないとうそぶく小泉さんに国政をこのまま預けては良くないと思い、是非菅さんの民主党に政権をとって欲しいと願ったが、残念ながら果たせなかった。

 勿論、民主党は政権を担ったことがあるわけではありませんから、見るべき実績は無いのですが、逆に言えば、それ故に族議員も政官業の癒着も少ない分、改革がしやすいと思うのです。「官から民へ(民間でできることは民間で)」、「中央から地方へ(小さな政府、地方分権)」という、小泉政権が始めた改革は、「地盤・看板・かばん」を政官業の癒着によって保持している与党議員、特に自民党のいわゆる族議員-抵抗勢力-によって骨抜きにされることは明らかです。

 与党が安定多数を得た現在、抵抗勢力はのらりくらりとその中から小泉さんの次を担う総理総裁が育つまで改革を先延ばしにし、時間稼ぎをすることでしょう。自民党は政権を維持するために、水と油の社会党とでも組んだ実績があります。2年半の政権運営から見た小泉さんを評価するに、人気取りが上手くて、詭弁を弄し二枚舌を使ううそつき政治家です。
 いずれにしても、今回の選挙で国民は小泉内閣続投を支持したのは紛れもない事実です。民主党政権では未だ心もとない、今しばらく勉強と経験を積んで力を蓄え次に備えよと、大躍進の票を与えはしたが、政権奪取の議席までは与えなかったのです。民主党は、個々の議員を選ぶ小選挙区の得票数は自民党より16%、議席数では27%も少なかったのですが、「政党」を選ぶ比例代表では自民党より7%も多い票を得て、議席数では3人も多く当選しているのです。かつて、野党であった公明党が自民党とくっついていなければ、菅政権が誕生していたことでしょう。庶民党であった公明党も、一度権力という蜜を味わうと、体質の合う筈の無い自民党と同居できるほど与党暮らしは楽しいようです。公明党が自衛隊のイラク派遣に賛成とは随分変質したものです。

 ところで比例代表制度について説明しますと、ブロック(全国で11ブロック。東京都は東京ブロック)ごとに各政党(候補者を立てられる政党の基準があります)が順位を付けた候補者の届け出に立候補の届けをします(順位を付けた候補者は比例代表のみの立候補が多く、党公認候補と言われます)。この場合、政党の得票数によって割り当てられた当選者数を、候補者の届け出順に当選とします。候補者に順番をつけず同順位での届けがされている場合は、小選挙区との重複立候補者です。小選挙区制度は1人しか当選できませんから、落選はしたがもう少しのところで当選という候補も多いわけです。政党ごとの当選者数の枠内で、小選挙区での落選者の当選者に対する得票率(惜敗率)の高い順に比例代表制度での当選者を選んでいきます。自分が投票した候補は確か落選したはずなのに、議員になったという場合、この比例代表で復活当選しているのです。ただ、自民党の鳩山邦夫さんや玉沢徳一郎さんのように、民主党代表の菅さんや小沢さんに挑むことになった人は、まず勝ち目はありませんから、比例区の上位に届けをされていて、小選挙区で落選をしても必ず比例代表で当選するように配慮しています。

 総選挙の直前、自民党は比例代表の公認候補の年齢制限を73歳としました。これによって、総理経験者である中曽根・宮沢両氏は政界からの引退を余儀なくされました。ところが、小選挙区を見てみると、自民党は73歳以上の候補を何十人も公認しているのですから、矛盾もいいところです。中曽根さんについては、小選挙区制度ができたとき、福田・小渕さんを小選挙区に立てるために、時の自民党橋本総裁と加藤幹事長が、北関東比例代表の終身1位の公認を約束したうえ、党の決定事項として記録にも残したのです。小泉さんの今回の行動は、目の上のたんこぶである中曽根さんを排除するための定年制としか思えない仕打ちです。目先の選挙で、人気取りのために若返りをアピールし、自分達の大先輩である党の大長老さえも裏切る小泉さんは、信義も仁義もない男です。中曽根さんは高齢とは言え、頭は冴えており、知的で勉強家で国家の為に身命を賭している人です。小泉さんとは人間のレベルが違います。改革は良いことではありますが、国民の心がすさんで行く原因の一端は「小泉流」にあると言うのは、言い過ぎでしょうか。

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