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社長通信

第201号 神

2004年11月号

 今年は、長期に渡った猛暑や最多の台風上陸、豪雨、新潟の地震、そして、熊の異常な出没等の天変地異が続発しました。日本全土が廃墟と化した敗戦から59年、日本は世界第2位の経済大国になりました。私の息子の生まれた、たった40年前には、誰でもが自家用車を持てるとは夢想だにしませんでした。子供のころ読んだ、未来の都市の描かれた絵本には、高層ビルが林立し、その空間をぬって高速道路が走り、空には飛行機が飛び交っていました。しかし、夢多い子供でも、まさかこんな時代が来るわけが無い、これは単なる空想だとしか思わなかったものです。それが現実となるような奇跡的な発展があったわけです。自然を切り刻んで発展した、そのしっぺ返しが今年の天変地異であったとは言えないでしょうか。今回の新潟県の地震の中心地、中越は人間ブルドーザーの異名をとった故田中角栄さんの地元です。陸の孤島であった村々に道路が敷かれ、便利な山村に生まれ変わったその地区が、一番の被害を被ったのは、被災者にはお気の毒ながら、何か象徴的に感じます。

 中国を見ると、その発展スピードは、かつての日本の2倍以上ではないかと思うほどの凄さです。高層マンションの建築やマイカーの増加も凄まじく、水や電力やガソリンの消費が爆発的に伸びています。排出する二酸化炭素や排出熱は計り知れません。これに工場のそれも加わり、それらが上昇気流となって、地球の気圧配置にまで影響を及ぼし、今回の台風の多発や豪雨といった異常気象の原因となっている気がします。日本の人口の10倍の13億の中国人が、豊かさを享受し始めたのですから、自然破壊は凄まじく、猛スピードで砂漠化が進み、エネルギーの消費も莫大で、気象に悪影響を与えないはずがありません。

  一方、世界に目を転じれば、イラク情勢は混沌の度合いを益々深めています。先の掃討作戦でテロの巣屈ファルージャを制圧はしましたが、結果的にはテロリストをイラク全土に撒き散らしたのではないかと思います。アメリカの大統領選では、イスラム教を敵とするキリスト教原理主義の福音派と、イスラエルのエルサレムを聖地とするユダヤ教徒を抱きこんだブッシュが再選されました。福音派はキリストこそ唯一の神で、イスラム教は邪教だから、これをやっつけない限り平和は訪れないと頑なに考えます。

 一方、イスラム教は、キリスト誕生の600年後にサウジアラビアのメッカで生まれました。預言者マホメットによる、「神は一つで他に神は無い」との予言が、イスラム経典コーランにあります。アッラーだけが神であり、キリストは神ではないのです。

  これら3つの宗教はそれぞれ自分たちの神を唯一としていますから、お互いの神の存在を許せません。そのため、キリスト教原理主義者やユダヤ教徒は、イスラム教を倒さない限り平和は訪れないと信じているのです。ややこしいことにこの3つの宗教の聖地がエルサレムですから、パレスチナ紛争の原点は宗教に根ざしています。

 本来、神や仏は人間を救うために存在しているはずなのに、歴史を見る限り、紛争の種はともかくとして、それが長引き泥沼化する原因は、自分の神だけが正しく、それ以外のものを信じる人間を信用しないことが根本にあるように思われます。だから、イラクのように、武器を持った異教徒が自分たちの土地に踏み込んできたら、神の命令―聖戦―と称して、異教徒と戦うべきであると人々が信じるのは、一神教では当然なのです。インディアン、広島・長崎、ベトナム、イラクなどで見る如く、罪もない人間を大量殺戮できるのは、「宗教という麻薬」を打ち、「民主主義の普及」を錦の御旗にかざしているから出来ることかもしれません。

 イラクの人々がテロリスト排除のあおりを食って10万人も命を奪われ、50%の労働者が仕事を失い、戦闘地域ではほとんどの家やモスクを破壊されてまで、彼らは「アメリカ型の民主主義」を求めているのでしょうか。

 小泉総理はロケット弾を打ち込まれたサマワを非戦闘地域と強弁し、自衛隊はといえば、コップ1パイ数万円の水を作るのが仕事になっています。総理は国際貢献というワンフレーズで国民を誤魔化していますが、本音はブッシュのご機嫌を取るために派遣しているに過ぎません。自尊心の強いアラブの人々に「お為ごかしの親切」など通じるわけはなく、アメリカの本音を見透かしているからこそ、一般の人々までがテロリストになっていく気がします。つまるところ、異教徒の軍隊がイラクから撤退しない限り、平和が訪れることはないと思われます。

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