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社長通信

第205号 ホリエモン

2005年03月号

 2月、3月のマスコミの話題の中心はホリエモンと堤天皇でした。

 堤義明氏の父、康次郎氏の生まれ故郷は滋賀県犬上郡秦荘町八木庄。堤家とは何の関係もありませんが、私の父も同じ町の生まれでした。
 まだテレビがない小・中学生の頃、夏になると小学校の運動場で野外映画会が開催され、映画の初めに必ず康次郎氏の国会報告の映像を見せられたものです。私は、凄い人が滋賀県にいるなあとの感慨を持って見たことを記憶しています。それほど西武と滋賀県は縁があるのですが、物心付いた頃からか、堤さんは税金を払わないで金持ちになったと言う噂を耳にするようになりました。 
堤義明氏は持株の一部を偽名や他人名義で所有することによって、相続税や所得税を逃れたり、上場基準を満たすための虚偽報告をしていたそうですが、信じられないことをしていたものです。
 バブルが弾けるまでは、借入金で土地を買っては利息を払い、利益が出ないように調整することもやっていたようです。当時、土地価格は上がる一方だったのですから、世界一の資産家としてアメリカの有力誌に載ったのも当然です。専属の弁護士、公認会計士、税理士を抱え、徹底して節税をする、それが堤「流」だったわけです。税金が好きな人はいないと思いますが、税金を払うことが国家に対する義務であり、それが西武の社訓である「感謝と奉仕」だと思います。
  
 しかしながら、お天道様は人を皆平等に扱ってくれるようです。この間までは、何処へ行っても、天皇陛下のご巡幸かと思われるような扱いを受けていた堤氏も今や暖房もない拘置所暮らし。天地が逆転したような生活を強いられている姿を想像すると、哀れみさえ感じます。堤天皇・総帥とも言われ、総理大臣と差しで話せるほどの力を手に入れると、聞く耳を持たなくなって、何でも出来ると錯覚してしまったのかもしれません。

 一方、すっかり時の人となった堀江社長。M&Aを駆使して大きくなったマザーズ上場のライブドアが、フジサンケイグループの買収を仕掛けました。企業価値は株価総額と言われますが、ライブドアは創業以来赤字で、勿論配当をしたことがないそうです。株を所有している限り、株主としての利益を享受できません。株主はその株を売却して初めて利益を得ることができます。しかし、株を売った後は株主でなくなっている訳ですから、ニッポン放送を手に入れ企業価値を高めるという、堀江氏の話にどうも納得がいきません。上場企業の社長が、株主様を一番大切に思うということは、利益を出し、配当をすることです。勿論、株価を無視するということではありませんが、買収を重ねることによって、高株価、即ち企業価値を高め、株式分割や新株を増発し、買収資金を得ていく経営手法にはどうも賛同できません。企業は、株主様や銀行からの資金を使い、社員や役員の日々の努力によって育っていくものです。商品を買う如く、いきなり株式を取得することによって会社を買うという、いわゆる敵対的買収で企業価値が上がるとは思えません。何故なら、企業の価値は株価だけではなく、経営力や社員のスキルとモチベーションによるところが大であるからです。確かに、弱肉強食の自由主義経済のわが国にあっては、企業買収の行為は許されても、フジサンケイグループの社員の心まで買収することは不可能です。会社は株主のものであると同時に、社員を含めた社会(消費者)のものなのです。

 ネットビジネスは頭の良い1人の人間が智恵を出し、システムさえできれば、後はオペレーターだけで運営できますが、実物経済の世界は多くの人と人との関わりがなくては成り立ちません。マスメディアの世界も全く同じで、社員の知識と経験の蓄積によって、はじめて良いコンテンツが生まれるのです。そういう意味で、今回のような礼節を欠いた買収がビジネスとして成功することはあり得ないと思います。

 今回の騒動は、「ネット対ヒト」、「狩猟民族対農耕民族」、「西欧文化対日本文化」、「新世代対旧世代」の戦いでもあるように思います。いずれにしろ、「カネが全て」の時代になってきたということでしょう。

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