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社長通信

第211号 小泉大勝

2005年09月号

 今回の総選挙は、郵政民営化法案が参議院で否決されたことを受けて、衆議院を解散し、その民意を問うという目的で実施されました。しかしながら、郵政民営化に対する国民の関心は、その当初から、極めて低かったと言わざるを得ません。実際のところ、多くの人は、なぜ郵便局を民営化する必要があるのかについて、ほとんど理解できていなかったし、選挙の終わった今も、良く分からないというのが国民の本音でしょう。

 ところが、ワンフレーズ小泉総理の戦略は実に巧い。「郵政民営化賛成か反対か」と二者択一を国民に訴え、反対する政治家を反改革派と決めつけたものだから、民営化に言葉を濁した民主党までもが、あらゆる改革に反対する守旧勢力と見なされて、惨敗してしまいました。与党はと言えば、「郵政民営化是か非か」以外は一切言わず、ならば民主党は郵政改革の対案を素早く出せば良いのに、あやふやなままに選挙に突入してしまったのです。争点が噛み合わないまま争えば、テーマを単純にしてイエスかノーかを問うだけの方が有利ですから、これで勝負は決まりです。また、民主党の岡田代表の、真面目過ぎるのか、はたまた、親しみ易さにちょっと欠けるキャラクターも災いし、民主党ブームが当来することもありませんでした。確かに、唇の薄さや反対派に刺客を送り込むという非情・冷酷さを併せ持った小泉さんとは対象的に、岡田さんは人間的な信頼性や優しさ・温かさを感じさせるのに、この乱世を任せるには岡田さんでは心許無いと国民は判断したのでしょう。また、テレビ受けするキャラクターが何より大切な時代です。芝居的に見ると、大向うを唸らせるエンターテイナー性が小泉さんにはありますが、岡田さんはそこが足りない。また、小選挙区制度は、2大政党のどちらを選ぶかの人気投票です。その人気投票に勝った小泉さんの、政敵を全員放逐し、イエスマンだけの自民党を再構築した手腕は歴史的ですらあります。今回の総選挙によって反小泉の派閥のボスは、全員駆逐され、それらの派閥は壊滅状態となってしまいました。そして、派閥の力学によって政策や人事が決まっていた旧来の自民党はぶっ壊されてしまったように思われます。小泉さんは、ある意味で彼が標榜していた「自民党をぶっ壊す」ことに成功し、新しい自民党、小泉自民党を作ったと言えます。

 小泉政権は、これでどんどん改革を進められるはずです。郵政民営化を改革の第一歩として、改革すべきことは山ほどあります。今回の大量得票は自民党への期待票ではなく、小泉さんへの期待票ですから、来年9月の総裁任期までと言わず、2年でも、3年でも改革が終わるまで総理をやるべきです。変人どころか怪人に属する小泉さんが、制度疲労を来たしている行財政の仕組みを取り壊し、再構築にド真剣に取り組んで、21世紀に相応しい仕組みや制度を構築してくれるなら、小泉政権を選択した民意は正解だった事になります。しかし、汗をかいてこつこつと努力することが嫌いな小泉さんのこと、アウトソーシング(お任せ)で政策を進め、来年9月には首相の座を誰かに任せ、結果がどうあれ政権を下りてしまおうとしているような狡さを感じるのは私だけでしょうか。また消費税増税が待った無しにも関わらず、自分の任期中は増税しないと公約している関係上、任期以上に総理を務められないと思うのです。

小泉さんの言動を振り返ってみると、この4年間というものの、改革らしい改革は何一つしていません。国債発行30兆円以内という公約、8月15日に靖国神社を参拝するという公約、その他、自衛隊イラク派遣、北朝鮮拉致問題、国連常任理事国入り、年金改革など、総理として確約した公約や数々の問題を何ら解決せずに、放置しているのです。確かに、今までの彼は、単なるアジテーターでした。しかし、総理を辞める日が来年9月とすれば、これからの1年であらゆる改革、特に行財政改革を進め、小さな政府作りの道筋を付けて辞めれば、歴史に残る名宰相となるでしょう。ただし、今回の総選挙が単なる政争の具であったとすれば、必ずや1年後に政権をほっぽり出してしまうでしょう。そうなれば、改革も中途半端に終わることになりますから、日本は終わりです。小泉さんは自分でも自覚しているように、織田信長にも、ガリレオ・ガリレイにもなぞらえられる人物です。是非、1000年後の未来に、小泉純一郎の名を残しめる名誉のために改革を推進してもらいたいものです。

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