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社長通信

第213号 多角化

2005年11月号

 去る8日から11日の4日間、東京ビッグサイトでジャパン・ストーンフェア2005が開催されました。最終日にあたる11日には、午前10時半からパネルディスカッションが行われ、私はそのパネラーに招かれました。ディスカッションのテーマは「多角化による経営戦略」と名付けられ、墓石の販売が曲がり角に来ていることを示唆するものでした。
 
当日、会場の定員は150名でしたが、来場者があまりにも多かったために、会場外にスクリーンが設けられ、別に用意された100脚の折畳み椅子でも足りない有様でした。ディスカッション中は、途中で退席する人も無く、みんな熱心に聞き入っていました。
 
パネラーは、お仏壇のはせがわの長谷川社長、メモリアルアートの大野屋の大澤会長、カンノ・コーポレーションの菅野社長、そして私の4名でした。事前にインターネットを閲覧して気付いたのですが、私と長谷川氏、菅野氏は、共に昭和15年(1940)の生まれで満65歳。更に、3社とも会社設立が昭和41年(1966)で、年齢が26のときでした。そのため、今年は創立39周年で、社長、会社共に奇しくも同じ年齢、社歴であることが分かりました。ただ、「はせがわ」さんとカンノさんの創業が共に昭和4年、大野屋さんが昭和14年ですから、私以外は2代目になります。しかし、先代は創業者精神に溢れた方に違いなく、その精神を受け継いだ2代目もまた同じ精神に溢れています。特に、彼らは老舗として、また業界トップ企業としての責務からか業界の多くの役職を担っています。ある意味、彼らは、個々の事業よりも業界のために尽くしてきた人たちと言うことができると思います。
 
高齢社会は多死社会であって、墓石・仏壇・葬儀の潜在需要は増加の一途を辿ると思われますが、新規墓地の需要は都会だけの現象であって、地方においてはこの40年間の高度成長期に建て替え需要は一巡したものと思われます。
 
未だ新規需要が見込める大都会でも、人々の先祖供養の意識が薄くなり、お墓に対する意識も先祖代々の墓から個人の墓という変化が起こりはじめています。そして、お墓は故人のメモリアルとして捕らえる方が多くなりつつあるようです。お墓に対する意識の変化によって、色々な形の墓石が作られるようになり、小型化し、単価の下落に繋がっているのが現状です。
 
仏壇も然りで、マイホームの洋風化と個室化、それにマンションの増加、更に購入層の宗教観の希薄化に基づく仏教離れと相まって、伝統的な仏壇の衰退が顕著です。先日、金仏壇の工場を2時間余り見学する機会がありましたが、金仏壇の製作には高度な技術と大変な時間が必要で、その完成品はまさに「芸術作品」です。従って、その「芸術品」を飾るに相応しい箱(部屋)が必要ですが、それが無い。今では仏間を作る家も少なくなっており、その上、畳の部屋も少なくなっています。全体の傾向としては、洋室向きの家具調仏壇や唐木仏壇で、それも上置きといわれる家具の上に置く小さな仏壇が多くなってきたと言います。本来は仏教徒が所属する宗派の本尊を祀るのが仏壇ですが、仏教と庶民との間が大きく隔たり、「無宗教」を自称する人々が増えるにつれ、仏壇は単に位牌や遺影を祀るための箱に変化しつつあります。
 
福島一の石材店のカンノさんは、先月、福島一の互助会ハートライン(斉藤社長)と企業統合して、一気に年商140億円の供養産業の業界トップ3入りとなりました。これによって、カンノさんは大野屋さんと共に、墓石、仏壇、葬儀の全てを行うようになったわけです。当社もはせがわさんも志向するところは同じで、その背景には、同じお客様と末永くお付き合いいただくことによって、供養に関わるビジネスの拡大を狙っています。
 
ただ、多角化や企業統合(合併)といっても、シナジー(相乗)効果の無い多角化や統合は墓穴を掘るだけです。その点、カンノさんとハートラインさんの企業統合は規模も似ており、墓石業と葬祭業ですからシナジーもあり正鵠を得た統合でした。マネージメントが四半世紀は遅れていると言われてきた供養業界にもM&Aの波が押し寄せてきたのは、業界活性化のために歓迎すべきことです。

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