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社長通信

第215号 三丁目の夕日

2006年01月号

 1月7日、新宿で、映画を見て笑って泣きました。否、私たち夫婦だけではありません。周りの人たち、全てが鼻水をすすり、ハンカチで涙を拭っているではありませんか。観客は、40歳から60歳位の方が多かったのですが、老若男女を問わず、誰もが涙していました。これでは、映画が終わった後も、誰もがかっこ悪くて、席を立てません。

 今の私たちには、映画館に足を運ぶ機会はほとんどありませんが、年末にこの映画を見た友人夫妻から、絶対に見に行けと薦められた作品でした。いずれテレビでも放映するでしょうが、大勢の観客がいる映画館で、あなたも家族と見て、感動の涙を流して欲しい。悲しいから、嬉しいから流す涙ではありません。笑いの後に、魂を揺さぶられて泣かされる、そんな凄い映画なのです。
 
 設定は、昭和33年頃(今から48年前。終戦から13年後)の東京。終戦で焼け野原になった東京が、ようやく復興を遂げつつある時期の、活気に満ちた上野駅や下町が、CG技術を駆使して、リアルに表現されていました。

 私は、昭和34年に進学のために上京しましたが、スクリーンいっぱいに広がる光景に懐かしさが込み上げてきました。町並みのバックには建設中の東京タワーが見えます。それが、エンディングには完成した姿が映し出されるところなど、ちょっとした演出も心憎い。

 監督の山崎貴は、昭和39年生まれで、当時を全く知らないはずなのに、当時の家族や隣近所の人情、世相、風景、風俗、庶民生活等を見事に描写しています。この映画に見られる情景は、かつては日本の何処にでもあった普通のものであったのかもしれません。テレビ・冷蔵庫・洗濯機が三種の神器といわれた頃の話ですから、ほとんどの日本人が貧しかったのに、誰もが生き生きしていました。それに比べて、今の私たちは物質的に不足しているものは何もないのに、日々お金を求めて徘徊しています。その滑稽さを考えさせる映画でした。
 
 ところで、新年を迎えて、NHKの大河ドラマ「巧名が辻」が新しく始まりました。主人公の千代の出身は、私の故郷近江(滋賀県)です。千代は、貧乏侍・山内一豊を内助の功で支え、土佐24万石の殿様に出世させたことで、良妻賢母の典型として知られています。

 その滋賀県は、京の都の隣りに位置することもあって、元々大陸の儒教文化の影響が強いところです。儒教には、女性のあるべき姿として、「三従四徳」という教えがあります。三従とは、女性が従うべき三つの道のことで、すなわち、(1)在家従父(嫁にいくまでは父親に従い)、(2)出嫁従夫(嫁いでは夫に従い)、(3)夫死従子(夫の死後は子に従う)を言います。しかしこの教えは、現代の女性にとっては、あまりに封建的に思えて、到底我慢ならないものでしょう。
 
 また、四徳とは、女性が修養・実行すべき四つの徳目、すなわち、(1)婦徳(女性らしい人格)、(2)婦容(女性らしい身だしなみ)(3)婦言(女性らしい言葉遣い)、(4)婦工(女性らしい習い事や家事)をあらわしています。しかし、現代女性には、どうもこの四徳のない人が多くなり、結果として子殺しや、亭主を蔑ろにして家庭崩壊を招いたりすることが増えたように思えてなりません。
 
 私の家内は30年前に書道教室を開きました。書道は単に字の書き方を教えるだけではなく、行儀作法も教えます。しかし、今の学校では実利的なパソコンや英会話授業が増え、その反面、書道の時間がなくなってしまったと言います。家内は、65歳になって、そろそろ自由な時間を持ちたいと考えるようになって、昨年で教室を止めましたが、行儀作法も身につく華道・茶道・書道が衰退することは、日本人が、日本人の美徳の一つである行儀を忘れていってしまうことを意味します。
 
 私は、結婚以来43年間、家内に決まった生活費を渡すことを遅れたことはありません。そして、家内から未だかって生活費が足りないと言われたことがありません。しかし、彼女に余分なお金を渡したことはありませんから、自分の小遣いや交際費は教室の稼ぎで賄ってくれたようです。
そのことをつらつら考えるに、私も一豊と同じように、内助の功に支えられて今日があると思わざるを得ません。私は社会に出て専務と社長しか経験していません。つまり、中小企業の経営者として、女房に苦労を掛け続けてきたのです。そのお詫びということではありませんが、夫婦そろって元気なうちに旅行して、家内に感謝の気持ちを捧げたい。そのために、今年から私も長期休暇を取ろうと決めました。と言っても1週間くらいで帰ってくるのでしょうね。ワーカーホリックは不治の病のようですから…。

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