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社長通信

第233号 信頼

2007年07月号

 今回の参議院選挙は、年金問題が争点となっています。その問題の発端は、1997年に制定された基礎年金番号に、長く利用されてきた国民年金番号や厚生年金番号がきちんと統合されていなかったことです。
即ち、納付者が特定されず、宙に浮いたままの年金記録が約5000万件もあって、おまけに10年間も放置されたままだったのです。
その5000万件の保険料総額が幾らになるのかは公表されていませんが、1件の保険料を仮に国保の1.4万円として、最低でも7000億円が宙に浮いていることになります。

 今回の年金問題では、納付記録が宙に浮いただけではなくて、年金をきちんと支払ったのに、その年金記録が存在しない人も多数いると言います。
もし、企業でこのようなことが起こったならば、伝票(納付記録)が無くてお金だけがあることになり、帳面の残高が合わないのですから、何をおいても伝票を探し、納付者を突き止める作業をします。
社会保険庁は宙に浮いた(余った)お金をどの様に処理していたのでしょうか。まさか、ネコババしていたとは思いたくもありませんが・・・。

 総理は1年で年金記録の突合(とつごう=突合せのことですが、「突合」という熟語はありません)システムを開発し、宙に浮いた記録の全てに基礎年金番号を付けることを約束しました。10年間で突合できなかったものを、1年でするといいます。もし、それが出来たとすれば、社会保険庁は10年間も故意に突合をサボっていたということになります。
また、彼らが「あわよくば年金を支給しないで済む」などという小賢しいことを考えていたとすれば、言語道断です。
 
 給与所得者は、毎月の給与から年金保険料が天引きされています。そして、誰もが、受給年齢になれば当然のように給付通知が来るものと思っているのではないでしょうか。
ところが、自分から申請しないと給付しないのが年金制度です。国民が受給するために最低25年もの間、年金保険料を黙々と納付し続けるのは、国が年金を必ず支給してくれるものと信じてきたからです。
社会保険庁の今回の失態は、その信頼を根底から覆してしまったと言わざるを得ません。今や、社保庁職員の為の役所だったと言われても仕方がありません。
私たちは、社保庁を、「保険」などという言葉が付いているが故に、国民の生活を守ってくれる有り難いお役所と勘違いしていたのです。
 
 私の子供のころは、役人は公僕と言われ、国民に奉仕する人たちのことでした。
当時、彼らの給料は民間よりも安かったにもかかわらず、間違ったこともせず、国のために誇りを持って仕事をしていました。そのために、当時の役人は尊敬されもしたのです。
現在、公務員の犯罪率は一般市民と比べて、低いとは思いますが、税金を生活の糧にしている以上、国民と同じレベルであっては尊敬を受けることは出来ません。
公務員の信頼が揺らぐ原因の第一は、不祥事ですが、思うに、役所全体に「依らしむべし、知らしむべからず」の風潮があって、情報を独占することによって、有利な立場をキープしようとする性癖があるようです。
そして、情報を独占しているうちに、何時の間にか傲慢になって、自分たちに都合の悪い情報を隠したり、情報を操作する体質になったのではないでしょうか。
 
 某大手菓子メーカーで消費期限切れの材料を使って商品を製造していたという問題がありましたが、企業が不正を隠し、内部告発などでそれが発覚した場合、最終的には殆どの企業が倒産または解体の憂き目にあってしまいます。
それらの企業も、法令違反が判明した時点で直ちに公表し、再発防止策を講じていれば企業が存続できないほどの問題にはならなかったと思われます。
彼らは、問題を隠蔽したがために、内部告発によってマスコミの知るところとなって、取り返しが付かない事態になってしまったと思われます。
 
 国家や企業が、国民や社員、お客様の信頼を得るには、適宜な情報開示によってしかありません。情報開示をしないでいると、国や会社の未来が見えないわけですから、不安が募るばかりで、忠誠心が生まれはずがありません。
 
 国民が自分の国に信頼をおけないことほど不幸なことはありません。
国民年金の未納率が40%を超えているのは、国家=政府不信に他なりません。老後の生活は、年金保険料を納めることによって安心となれば、進んで納付するのではないでしょうか。今の年金不信を作ったのは社保庁であり、それを放置した政府です。
 今回の参議院議員選挙は、正に政府の信任を掛けた選挙となりました。

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