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社長通信

第248号 サブプライムローン 

2008年10月号

 これまで、日本人は自動車をはじめとして、安くて良い商品をこつこつと作り、せっせと輸出してドルを稼いできました。そして、ドルが溜まってくると、当然のように米国債や証券(債券)を買って、ドルをアメリカに還元します。同じように、世界中の国々が自国の製品をアメリカに輸出し、ドルが溜まればアメリカに投資し、アメリカに還流させてきたのです。
 どの国も商品を買ってもらいたいがために、或いはアメリカにドルを戻すために、格付けさえ良ければ中身の良く判らない債券でも、アメリカドルでどんどん買い入れていたのです。

 このサイクルが上手く廻っているときは問題が無かったのですが、ひとたび債券に不良品が混じっていることが判明するや、債券不信が一気に吹き出し、世界経済が大混乱に陥りました。アメリカへの一国依存経済、一極集中の怖さです。その不良品がサブプライムローンの証券化商品なのです。
 サブとはサブウェイ(地下鉄)やサブリーダーのsubで、地下とか下位の意味で、プライムローンとは優良なローンという意味です。従って、サブプライムローンとは、優良なローンよりも劣るローンのことで、多くは低所得層に対する、通常よりも高い金利の住宅ローンのことを言います。
 これは、我が国で90年初頭に破綻した住専(住宅金融専門会社)と同じようなローンです。これらは、もともと住宅価格が上昇することを前提に組まれたローンですから、住宅需要が継続し、価格が高騰し続けねばなりません。ところが昨年春頃から、支払い遅延による中古住宅の売却物件が増え、価格下降が始まりました。同時にサブプライムローン証券も値下がりの始まりです。

 証券化商品は、ローン債券の証券化ですから、リスクもリターンも証券に移っています。かつて日本で起こった土地バブル時のローン債権は、債権の証券化がされなかったので、直ぐに焦げ付き額を確定することができました。
ところが、今回問題なのは、多くの証券が組み合わさった証券化商品の中にどれだけ不良債権が混じっているか分からないことです。
 不良債権になりそうなローンと優良ローンを混ぜこぜにして証券にし、それにまた別の証券を組み合わせ、新しい証券化商品が次々と作られ、それに格付け会社による最上級のランクという厚化粧を施し、美味しい投資商品として世界中の金融機関等の投資家に販売されたのです。

 確かに、多少のローンの焦げ付きがあっても、住宅価格が上昇している限り証券は優良商品であり問題はありませんが、我々が20年近く前に経験したように、バブルは必ず弾けるものです。
 土地バブルの崩壊を経験している我々日本人からすれば、この商品は何れ不良化するに違いないと思うのですが、最上級の格付けが付いていれば大丈夫と思わせるのが、アメリカ主導の金融システムの怖さです。
 私は昭和15年生まれですが、先日ノーベル賞を受賞された益川敏英教授や麻生総理も同年です。この難局において、少なくともこの半世紀の実体経済を経験している麻生さんが総理に就任されたのは、景気対策にとって大変良かったと思います。

 ニューヨーク証券市場は正しく博打場―マネーゲーム場です。その博打場から博徒が東京証券市場に大挙して来ていましたが、本家が狂ったので、その煽りを食った分家も手仕舞いするため売り一方となり、大暴落に繋がったと思われます。
 1986年から4年3ヶ月続いた大好況から、一転して91年に不況に入ったときに、「あれはバブル景気だった」と気付きましたが、我々は、今、世界が恐慌に突入しつつあるのに気付いていないのかも知れません。
 ドルの発行国アメリカが崩壊すればドルも債券も紙切れになります。そうならないうちに、世界の主要国が借金王アメリカを助けねばなりません。79年前と違うのは、大国が直ぐに集まり、協議し、協調しあう環境が出来ていることです。
 今回も株価の大暴落(10月10日)のあと、14日には大暴騰しましたが、麻生さんには、日本のバブル処理の経験を生かし、今こそアメリカ流の弱肉強食を許す自由放任の市場経済に代わる、みんながそこそこ豊かになれる日本流の、グローバルに通用する経済システム作ってもらいたいものです。

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