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社長通信

第255号 ウイルス

2009年05月号

 昨年9月にアメリカから始まった世界同時不況に追い討ちをかけるように、今年4月にはメキシコで新型インフルエンザが発生し、瞬く間に世界的な広がりを見せています。偶然とはいえ、どちらも北アメリカを共通の発生源とする点で、多くの人が今回も世界を混乱に陥れるのではないか、と恐れました。

 インフルエンザはウイルスを病原体とする感染症の一種です。ウイルスとは、他の生物の細胞を利用して、自己を複製させることのできる微小な構造体ですが、一般的な生物ではないと言われています。生物のことを自然科学では、細胞を構成単位として、代謝、増殖を行うものと定義しているために、タンパク質と核酸のみにて構成され、細胞をもたない「ウイルス」は、非細胞性生物、または非生物と言われています。しかし、遺伝子も持ち、寄生した生物の細胞を利用して増殖するウイルスは生物と関連があることは明らかです。
 そのような特異な性質を持ったウイルスの一種、インフルエンザウイルスは人、豚、鳥に侵入し、それぞれが感染すると、ヒトインフルエンザ、ブタインフルエンザ、トリインフルエンザという疾病となります。ウイルスに感染した宿主の細胞は、本来自分のために生産しているエネルギーやアミノ酸などの栄養源をウイルスに奪われ、ウイルスはその栄養を使って増殖(粒子複製/宿主の増殖機能を乗っ取り自己増殖)するので、栄養を奪われた細胞は、分裂が阻害され、死滅してしまいます。そして、宿主の免疫力が弱い場合は、宿主自身が死に至ることになります。

 今回のブタインフルエンザのそもそもの宿主は豚だったわけですが、それが人に移り、その後、人から人にうつる新型インフルエンザ(H1N1)に変異したことによって世界的に広がったのです。
そして、人から人に移っていく間に、ウイルスが交じり合い、毒性の強いウイルスに変異することが危惧されましたが、幸いにして今のところ大きな変異は起きていないようです。

 毒性が強いといわれる高病原性トリインフルエンザとして有名になったH5N1亜型ウイルスに関して、5年ほど前に山口県の養鶏場で飼われていた家禽が感染し、数百万羽の鶏が殺処分されたのは記憶に新しいところです。また、今年3月には豊橋のうずら農家で同様のトリインフルエンザウイルスが発見され、数百万羽が処分されました。
 当時、たかが鳥がインフルエンザに罹患しただけなのに、行政やマスコミが大騒ぎをしたことを不思議に思ったものです。しかし、この極めて毒性の強いトリインフルエンザウイルスが人に移り、ヒトインフルエンザウイルスと交じり合うことによって、ヒトからヒトへと感染する新型ウイルスに変異する可能性が高いために、罹患していない鳥まで予防的に殺すことになっているのです。
 もし、ヒトからヒトへと感染する新型ウイルスがひとたび世に出てしまうと、世界中の誰も免疫力を持っていないが故に、瞬く間に世界的な流行-パンデミックとなってしまうのです。

 1918年から1919年にかけて流行った通称スペインかぜの感染者は、世界中で6億人、そのうち、4~5千万人もの死者が出たと言われていますから、感染者の実に1割近い人が亡くなったことになります。このようなパンデミックを防ぐ最善策は、どうやら、罹患者や罹患の恐れのある人を強制的に隔離し、封じ込めること以外に方法はないようです

 人がインフルエンザに感染すると、悪寒、頭痛、38度以上の発熱、嘔吐、下痢、腹痛等の症状が出ますが、そのような人に簡易検査を実施すると、すぐにA型か否かの結果が出ます。
インフルエンザにはA、B、Cの3つの型があって、A型とB型はヒトインフルエンザの主原因となります。毎年流行を繰り返すインフルエンザの原因とされるウイルスは、Aソ連型(H1N1)とA香港型(H3N2,H1N2,H2N2)を合わせて4種類があります。
 今回の新型インフルエンザの場合も、感染が疑われる人に対しては簡易検査が実施され、陽性と判明した場合、精密検査となるのですが、これは今回の新型インフルエンザが豚由来のA型だからなのです。
 
 当社では、急な流行に対処して、季節型にしろ、新型にしろ、インフルがうつらないように、また罹患した場合には人にうつさないように、ビニール手袋やマスクを数千枚ストックしました。

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