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社長通信

第265号 ナンバーワン

2010年03月号

 今月の社長通信は265号、始めてから実に23年目になります。毎月1回、テーマを変えながら約2000字を埋めるのはしんどい作業の連続でした。それでもバックナンバーを読み返してみると、忘れていた成功体験や失敗体験があり、その時々の会社の様子が思い出されて、身のしまる思いがします。そして22年間、私のポリシーがぶれていないことを確認し、ホッとしました。
 
 社長通信第1号を発行した頃は、日本の企業では年功序列が当たり前でした。しかしながら、当社は、当初より年功序列制度をとっていなかったため、会社組織がピラミッド型になっていません。と言うより、新入社員を計画的に採用し、育てていく余裕も時間もなかったのです。年功序列は毎年業績が右肩上がりに成長することが前提の制度です。ところが、バブル崩壊後、この制度は徐々に崩壊し、成果を出せない人しか生き残れない時代になりました。
 
 また、バブル崩壊後の企業の存続・発展は、特に社長の判断・決断によって決まることが多いものです。したがって、社長の仕事はその「決断」をすることにつきます。私の場合、一度下した決断も、重要なことになると、何処かに手落ちがないか、何回も反芻します。そして、間違ったと思った時は、勇気をもって改めます。改めることを躊躇するなら、社長は務まりません。 
 様々なことに思い悩むたびに私の胃は悲鳴をあげました。まさに胃痛は社長の職業病と言っても過言ではないでしょう。しかし、10年前にピロリ菌の駆除をして以来、胃痛はなくなってしまいました。
 
 さて、トヨタ自動車は、昨年GMやフォードを抜いて世界一のメーカーになりました。ところが、その途端にリコール問題が噴出し、塗炭の苦しみを味わっています。しかし、考えてみれば、世界ナンバーワンになったのが日本車だからこそ叩かれていると思えないでしょうか。
 リコール件数だけを見てみれば、日本車よりアメ車の方が多いはずです。その証拠にアメ車は故障が多くて、日本ではそれに乗っている人があまりいないように思われます。
 
 戦後、日本はアメリカの軍事力に頼ってきたお陰で、防衛予算が少なくて済み、世界第二の経済大国になりました。その代償として、日本は米軍に基地用地を無償提供していますが、アメリカの軍人たちは、その基地を自国の本土の如く使用しています。米兵の犯罪に対して日本の裁判権が及ばず、また基地経由ならばパスポート無しで日本への出入りが自由にできるなど、彼らに対する特権は、支配者のそれにしか見えません。このように、日本は国防を終戦からずっとアメリカに頼ってきたためか、アメリカ人のなかには、日本のことを今も占領地、植民地や州の一つと思っている人もいるようです。そのような人々が、トヨタもソニーもアメリカの会社と思っていたとしても不思議ではありません。
 しかし、そのトヨタが実は独立国家である日本の会社で、それが世界一になったと言えば、誇り高いアメリカ人は怒り心頭に達し、トヨタを叩きのめすことになったとしても不思議ではありません。まさに、トヨタ叩きと言うより日本バッシングです。
 
 数年前のビックバンといわれる金融改革の時、グローバリズムは世界の流れだから仕方がないと諦めましたが、今思えば、アメリカが世界を支配しやすいように変えさせられたのだと思うのです。彼らのルール=アメリカン・スタンダードをグローバル・スタンダードと称しただけなのです。私たちにもなじみ深くなりつつある投資銀行制度は、元々はアメリカの制度なのです。一国の金融界を支配することは、即ち、一国を支配することに繋がります。
 しかし、アメリカのリーマンブラザーズなどの投資銀行の破綻に端を発した今日の世界同時不況は、まさにアメリカによる他国支配制度の連鎖的な崩壊によって引き起こされたといわざるを得ません。しかし、アメリカ大統領は、世界に向って「I’m sorry」とは言いません。彼らは自分のミスを絶対認めない尊大さを持っているのではないかと思わずにはいられません。 
 いずれにしても、我が国や企業は、アメリカの核の傘に守られ、ドルを機軸通貨としている以上、彼らの前で頭をあげることは許されません。
 彼らの誇りは世界のナンバーワンであり続けることです。彼らは自国通貨であるドルで世界中から物を買い、ドルで世界の経済を牛耳ってきました。
 支払いにドル札が足りなくなれば、輪転機を廻せばよいのですから、そんなアメリカに勝てっこありません。ならばドル札の受け取りを拒否すればよいかと言えば、日本が叩き潰されるのは火を見るより明らかです。
 悲しいかな、アメリカは日本が絶対に勝つことのできない相手と言わざるを得ません。では我々日本人はどうすればよいのかと言えば、売上げナンバーワンではなく、品質ナンバーワンを目指して頑張るのが唯一の生きる道であると思うのです。

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