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社長通信

第270号 韓国

2010年09月号

 先月、韓国のある中堅企業がソウルに堂内陵墓を作りたいと、具体的な計画を持ち込んできたので、副社長と共に2泊3日の旅程で韓国を訪れました。
 相手の韓国人は4人で、全員、40歳代でした。雑談時、彼らは口を揃えて、韓国人は日本に追いつき追い越すことが、韓国を併合した日帝(大日本帝国―戦前の日本)に対する怨みを晴らすことになり頑張ってきたと言います。
 
 ところが、今やあらゆる分野で日本に追い付き追い越して、目標が無くなってしまったそうです。
原子力発電所は先進国技術の粋そのものと思っていたのに、アブダビのそれは韓国企業が落札したし、自動車生産量は年間600万台になります。
ドバイの世界一の160階建て高層ビル(828m)も韓国が受注し、日本のゼネコンがその下請けとして完成させました。
 30数年前のサムスンのカラーテレビは買ったその日に映らなくなることもあって、また販売店が修理代を請求するサービスの悪さと技術水準でしたが、今や世界一の家電メーカーとなりました。昔の韓国を知っている私としては、韓国がまさか日本を追い越すほどに成長するとは、夢想だにしませんでした。
 
 ロッテホテルに泊まったので、隣接のロッテデパートを覘いてみました。金曜日の午後4時でしたが、お客でいっぱいです。地下の食品売り場にも行きましたが、兎に角品数の多いのには驚きました。品質は何ら日本と変わりませんし、値段も日本のスーパーとほぼ同額でした。しかし、デパ地下の価格は、市場より30から50%高いと思われますが、それでもこの値段で売れるということは、それらを日常的に買うことができる収入がある人が多いということです。
 
 その韓国ですが、13年前のアジア通貨危機の時は、経済は崩壊の危機に瀕しました。IMFや日本が資金援助をした時、国民は自分の貴金属などを積極的に拠出したのには驚いたことを、今でも覚えています。
 その後、危機を脱し、大きく成長路線に乗ったのは、韓国人気質―誇りの高さと負けず嫌い―に負うところが大きいように思われます。つまり、世界一の優れた民族であると自負しているのに、嫌いな日本に援助を頼まねばならなくなったことでプライドを酷く傷つけられ、それが、経済を急激に立て直すエネルギーになったのではないでしょうか。
 
 韓国は儒教の国といわれます。儒教とは礼節という道徳的規範によって、親子、兄弟、叔甥と言った家族内の上下の秩序を保とうとする思想です。日本も同じように多少は儒教の影響を受けていると言われていますが、生活や教育レベルが上がるに従って、親孝行とか、長幼の序が消えつつあります。
 
 同じような現象が韓国でも起こっていると思っていたのですが、今でも儒教が生活を律していることを強く感じました。例えば、親や年長者の前ではタバコを吸えませんし、年長者が大切にされている分、飲食した時など、年長者が支払うことが当たり前になっています。割り勘などはとんでもないことなのです。
 
 葬儀に目を向けますと、韓国でも人が亡くなると遺体を斎場の霊安室に預けます。人は病院で亡くなることが殆どですが、多くの病院が斎場を併設しています。我々日本人には病院の隣が斎場というのは、合理的過ぎて違和感を覚えます。6月に自宅で自殺したパク・ヨンハという有名俳優も病院の斎場へ運ばれています。
 このように、遺体を自宅に安置しないのは、遺体に取付いた悪霊(?)が自宅に入ってこないようにするためだそうです。また、仏教徒でもお坊さんにお経をあげてもらうことは稀です。葬儀の時は、喪主が祭壇の前で祭祀を行い、その後3日間(場合によっては4~5日間)は、毎日24時間、弔問を受けます。
 遺体は別室の霊安室の中に安置しているため、弔問客は遺体と面会できません。つまり、弔問とは遺族に告別の辞を述べる行為であって、決まった時間にセレモニーを行うことはないのです。そして、のべつまくなしに縁者が来て、食事をして帰っていくのです。従って、絶えず食事の用意が必要ですので、3日も葬儀が続くと遺族の負担はさぞ大変だろうと思います。
 
 3日が過ぎると火葬です。ところが骨壷を持ち帰ることはありません。納骨するお墓や納骨堂を持っていない場合は、火葬場に預かってもらいます。それはすべて、悪霊を家に入れないためなのです。

 こんな習慣を保持している韓国ですから、自分の家の近くに墓地が出来ることには大反対が起きるのです。
 しかし、霊魂の存在を信じる民族はどの国でもお墓を忌み嫌うようですが、本音は自分の持っている土地の価格が下がるということのようです。

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