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社長通信

第271号 ギャップ

2010年10月号

 日本の常識は世界の非常識などとよく言われますが、その原因は異文化に接したときに、自分たちの価値観でそれを判断してしまうからだと思います。外国に行って、日本との「違い」を「変だ」と感じてしまうと、誤解や偏見の元になってしまいます。先ずは、私たちの文化と相手の文化の違いを理解し、認めないと友好関係には発展しません。
 卑近な例をあげれば、韓国では女性は立ち膝が正式な座り方ですが、これは日本では行儀の悪い座り方とされます。食事の時には、あちらではスプーンを用いるのが基本で、私たちのように食器やお椀を手に持たずに、食卓におかれた食器に口を近づけて食べるのが正式な作法です。この食べ方は日本では犬食いと言って行儀の悪い食べ方とされます。またあちらでは、大きな鍋をみんなで囲んで食べる場合、自分の使っているスプーンを直接鍋に入れ、すくって口に運ぶため、わが国のように取り皿を使うという習慣はありません。
 さらに、韓国だけでなく中国でも、招待されたときは料理を少し食べ残すことが礼儀となっています。それは、全部食べられないほどお腹いっぱいご馳走になりましたという意味なのです。中国では大皿で出てくる料理が多いのですが、取り箸はなく、自分の箸を使って、大皿から直接自分の取り皿に料理を取ります。それは親しさの表現なのだそうです。また、酒席では、乾杯!乾杯!と何度も乾杯しますが、必ず飲み干さねばなりません。そして、杯にお酒が残っているのに注ぎ足すことはマナー違反なのです。
 また、日本では考えられないことですが、テーブルを食べかすで汚すことが「美味しかった」という表現なのです。30年前はどこのレストランのテーブルも食べかすだらけでしたが、最近では、国際化の影響なのか都市部ではこの習慣を見かけることがなくなりました。
 
 この様に、私たち日本人と韓国人や中国人は、同じ肌の色をしている東洋人であるにもかかわらず、習慣にかなりの違いがありますが、同じように考え方にも相違があるのです。
 例えば、中国人や韓国人は面子を重んじます。彼らは、自分の面子を潰した相手に対し、その復讐を孫子(まごこ)の代に果たす、ということもあるほど、面子の回復に執念を燃やします。わが国が、戦後65年を経てもなお、両国に対し、政権が変わるたびに先の戦争についての謝罪をさせられているのは、恨みを忘れない国民性の故ではないでしょうか。
 中国や韓国の教科書には日本が両国に侵略戦争をしかけ、日本人がどんな悪いことをしたか、子供たちに教え続けています。一方、私たち日本人は、広島・長崎に原爆を落とした米国に対する恨みを、ほとんどの人が忘れてしまっているのです。やった方とやられた方の心のギャップは、果たして戦争世代が亡くなるまで続くのではないでしょうか。
 
 また、私はこれまで中国に10回以上行っていますが、おみやげを買うたびにコピーであったり、不良品であったりして何回も騙されました。つまり、したたかな中国商人に負けたのです。私は、したたかだと分かっていながら、彼らとの交渉(駆け引き)に負けた(騙された)のですから、腹も立ちません。逆に、次は絶対やり返してやろうと心密かに執念を燃やしているのです。
 このように、中国では騙した方が勝ちなのです。交渉において、お互いに偉ぶらず、気さくに面白く会話が弾むと、つい相手を信用するという、私の悪い癖がでて、やられるというのが何時ものパターンです。官営商店で売っている商品さえも安心できないところが中国です。中国には日本の約10倍の人間が生きています。騙し騙されることが日常茶飯事なので、甘ちゃんでは生き延びることが出来ない社会です。
 
 いずれにしても、これほど人口が多い中国ですが、日系企業は本質的に中国人を信用できないのか、彼らをトップに置くことはありません。しかし、よく考えてみれば、人口比でみても優秀で信用できる人が、日本の10倍はいるはずです。また、相手の習慣やルールを理解し、信用することを基本に付きあっていけば、素晴しいパートナーがいるはずです。
 当社が墓石の生産を委託している中国の工場は、当社の信託に応えてくれて、一度として問題を起こしたことがありません。人種国籍を超えて、信用と信頼関係が築ければ国境など問題でないのです。

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