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社長通信

第282号 ドイツ

2011年09月号

 お盆を利用してドイツに行ってきました。成田を朝9時半に発って、12時間の飛行で、フランクフルトに同日午後2時半過ぎに到着しました。飛行機はエアバスA380。総2階建ての新鋭機で、私は初めての搭乗でした。ドイツとは7時間(冬は8時間)の時差があるので、到着は日本時間の夜9時半。丸々半日乗っていたことになります。
 
 灼熱の日本とは打って変わり、気温25℃前後で湿度の低いドイツは春のような快適さです。緯度的には樺太と同じくらいの位置にあるので当然です。
 今回は某大手旅行社の「往復直行ビジネス便で行くドイツ周遊9日間」と銘打った総勢29名の募集ツアーでした。費用は39万円。ヨーロッパはビジネスだと通常30~50万円ほど値段が高くなるのですが、半額に近い格安の旅行代金がどうして可能なのか、その安さのからくりにも興味が湧きました。
 その秘密は、まず、成田からのツアーコンダクター(添乗員)が、ドイツ国内のガイドも兼ねるという「合理さ」にあったのです。さらに、宿泊は市街地から遠く離れた中小規模の、ボーイもいない二、三流ホテルで、昼夕の食事は団体専門居酒屋風レストランでした。ライン川下りも舟ではなく、我々のバスで川沿いの道路を走るだけでした。このように徹底的にコストカットしていることを、全工程を通して実感しました。
 
 旅の楽しみの一つにその国の料理がありますが、格安ツアーとは言え、食事の不味いのには閉口しました。毎食、大皿に載って出てくる魚・鶏肉・ビーフの一品料理は、みな同じような味付けで、そこにジャガイモが添えてあるだけです。ビーフは包丁でないと切れないような硬さでした。ソーセージが出てきたことが2回ありましたが、その味も期待外れでした。東京で食べる800円ランチの方が余程美味しいと思います。旅程表には、毎昼夜ごとに「○○料理をお楽しみください」とありましたが、一度として楽しむことはできませんでした。また、1回だけ、家内と二人で別のレストランに行きましたが、美味いと感激するほどの味ではありませんでした。もしかすると、ドイツ人は味音痴なのではないかと思った次第です。ケチが美徳の国民に美食家はいないのかと思ってしまいます。
 
 ところが、食べ物以外は感心・感激すること頻りでした。ドイツは、日本とほぼ同じ面積なのに、山が少なく北海道の様な田園風景が延々と続いています。そして、市街も郊外も野立て看板やネオンがありません。高圧送電線の鉄柱の他は、田舎の村でも電柱が見当たらないのです。
 都市は1,000年前の建物と最近の建物が違和感なく共存していて、風景に溶け込んでいます。建物の色、形、高さなどの規制があるのでしょうか。日本の雑然とした都会や田園風景に慣れている私は、ドイツの整然とした美しさに心を奪われました。日本ならば、街灯、コンクリート擁壁、ガードレール、電柱、道路標識、広告看板など人工構築物が私たちの周りを埋め尽くしていて、それが当たり前になっています。
 
 ガイドの話で驚いたことは、ドイツには教会税という税金があって、キリスト教徒は、カソリックかプロテスタントかを申告することによって、収入の2%~5%を源泉徴収されると言います。この教会税は、ヒトラーでさえ廃止できなかったと言います。キリスト教徒以外は徴収されないので、最近は、教会に脱退届けを出す人が増えているとか。届けには5,000円位の費用が掛かるそうです。ただ日本でも、田舎のお寺にお墓があって都会に移そうとする時など、そのお寺からお骨の収蔵証明書を貰って、それを添えて役場に改葬許可願いを出さねばなりません。これは檀家を辞めようとすることですから、多額の離檀料を請求する寺院もあります。
 
 ドイツ人はケチと言われていますが、夏休みには家族で一ヶ月以上も南欧へ日光を浴びに行くと言います。彼らは日頃の生活では、太陽をしっかりと浴びることが少なく、くる病になり易いため、日本人のようにあちらこちらと見て歩くのではなく、同じところに滞在してじっくりとバカンスを楽しむのです。そのために他の十一ヶ月を集中して働くのだそうです。また、会社では残業している様子が全くありません。フレックスタイムが普及していて、働くときは集中して働き、余暇を楽しむ習慣が根付いているようです。それでいて、ひとり当り国民総生産は日本人と殆んど同額です。どちらの生き方が幸せなのか、考えさせられる旅行でした。

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