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社長通信

第284号 腐敗防止

2011年11月号

 最近、子供が出来ないと嘆く若い夫婦を良く見かけます。それに比べて、私の世代は、子供が出来すぎて困ることが多かった様に思います。私は4年の間に2男1女を授かりました。その頃はといえば、子供が出来ない夫婦や、女の子ばかり生まれると、全て妻のせいにしていた時代です。ところが、最近の調査によると、不妊の原因は妻より夫の方が多いといいます。女の子が多く生まれるのは、男性だけが持っているY染色体がどんどん少なくなって、消滅の危機に瀕しているということです。Y染色体は生まれてくる赤ん坊が男の子であることを決める遺伝子であると同時に、妊娠に不可欠な胎盤を作る重要な遺伝子なのです。
さらに大きな問題は、この半世紀の間に、人間のみならず、動物、魚類を問わず、精子の数がどんどん減っているらしいのです。人間は1回の射精で、かつては精子が4千万(匹)から2億いたのに、最近では4千万以下の男性も多く見られるとのことです。精子の減少は、生殖能力の低下を意味しますが、その上、その精子の運動能力が弱いという報告がされています。この状態がこのまま続くと、子供が減るのは勿論のこと、女の子ばかりが生まれてくることになります。
 何故、この様に精子が減ったり、虚弱になったりしているのでしょうか。その原因の一つは環境ホルモンの影響だと言われます。その環境ホルモン増加の一因は、様々な添加物や農薬だそうです。
私たちがスーパーに行けば加工食品で溢れ、ファミレス・居酒屋では、安くて美味しい料理が瞬く間に供されます。これらの食品は全て工場で大量生産され、賞味期限・消費期限内に売りつくされます。供給側としては食品添加物を使って、見た目を良くしたり、美味しくしたり、保存性の向上すなわち腐敗しないようにしています。供給側の恐れることは食中毒だからです。こうした添加物が一回の摂取はたとえ微量だとしても、それを毎日あらゆる食品から取り続けていれば、体内にそれらの添加物が蓄積し、いずれ精子の生産に影響を及ぼすようになってしまうのではないでしょうか。また、作物を病虫害から守るための農薬や、化学肥料を散布して育てた米や野菜、あるいは病気から守る薬品を投与して育てた牛・豚・鶏の肉や養殖の魚を毎日摂取して、健康に影響が無いわけがありません。

さて、食べ物の話から、突然ご遺体の話に移って恐縮ですが、ご遺体も心臓が停止したときから腐敗が進みます。しかし、アメリカでは、その進行を防ぐ処置が、150年も昔から行われています。その処置とは、南北戦争の戦死者を故郷へ送り届ける際に、腐敗を防ぐために考えられた、エンバーミングです。
 日本では今から50年ほど前に、日本の一医学生がアメリカの大学に留学した際に巡り合ったのがエンバーミングと言う遺体保存技術だったそうです。簡単に言えば、透析と良く似ていて、血液を防腐剤と入れ替える技術です。医学生や歯学生の教育実習に欠かせないのが解剖実習ですが、献体された遺体はエンバーミングすることによって、ほぼ生存していた時と同じ柔らかさを保つことができ、メスもスムースに入ります。注入する薬液と時間にもよりますが、数十日から数十年も保存することが出来ると言われます。アメリカでは、遺体は、感染症予防のため、90%がエンバーミングを施して火葬または土葬にするそうです。葬儀の前に、遺体に施すエンバーミングは、腐敗防止のほかに、身体を消毒し、お顔を元気な頃に復元する目的を持って施されます。エンバーミングを施した遺体は、頬づり出来るほどに綺麗で衛生的に復元されます。
 前記の医学生は、10年間の留学を終えると、川崎医科大学に招請され、日本にエンバーミング技術を広めました。彼の名は、池田章。現在84歳で、川崎医科大学の名誉教授をされています。先月、この先生と9人の弟子(30~40歳代)に同行させていただいて、シカゴの葬儀博覧会、ボストンのエンバーミング薬液や機械のメーカー、葬儀場・火葬場を併設した大霊園、エンバーマー養成学校、ニューヨークの100年の歴史を持つ有名人専門の葬儀社等の研修ツアーに参加してきました。9人の弟子は、それは筆舌に尽くしがたいほど、話を熱心に聞き、質問をし、メモを取っていました。何処でも、予定時間をオーバーしてしまったのは言うまでもありません。
昨年の日本での葬儀時に施されたエンバーミングは、死亡者の2%、約2万2千体だそうですが、今回の旅行によって、私は、エンバーミングの重要性を再認識することができたと思います。

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