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社長通信

第286号 年男

2012年01月号

 今年、私は6度目の年男を迎えました。私が生まれたのは、日中戦争が始まって3年目の昭和15年(1940年)です。この年は、初代天皇とされる神武天皇即位から数えて、2600年目、紀元(皇紀)二千六百年にあたったため、日本中が祝賀ムードに包まれました。私の同級生には、二千六百年にあやかって「二千務(ふじむ)」と命名された女性がいるほどです。その一方で、同年7月7日には日中戦争が3年目に突入したのを機に、昭和13年に施行された国家総動員法を根拠として、「不急不要品、贅沢品、規格外製品等の製造・販売の禁止」する省令(奢侈品等製造販売制限規則)が全国一斉に施行されました。「贅沢は敵だ!」「贅沢は出来ない筈だ!」等のスローガンの下、西陣織などの着物、指輪やネックレスなどの宝飾品や象牙製品など、値段の如何にかかわらず禁止されたのです。食料品や衣料品でさえ価格が統制され、マッチや砂糖も配給制(切符制)となってしまい、東京の料理店や食堂では米のご飯の提供さえ禁止されたのです。日中戦争が泥沼化する中で、欧米による石油を初めとする軍需物資の禁輸措置が追い打ちをかけ、ついにはアメリカと開戦することになってしまったのです。思うに、当時の軍部は、中国に対する権益を捨て、欧米の走狗に成り下がることに耐えられなかったのかもしれません。
 その後、政府は戦時体制を押し進めるため、国家総動員法の究極の形として結社を禁止し、全ての政党を解党。大衆政治勢力の結集という美名の下に、「大政翼賛会」という新体制の発足と相成りました。私の生まれた辰年は、このように、日本版のファシズム政治の誕生と日米開戦へと突き進むきっかけとなった年なのです。
 当時は、「産めよ増やせよ」の号令が掛っていた時代ですが、粉ミルクも無く、あったとしてもマッチが無くて湯も沸かせない環境では、子供の産みようも育てようも無かったと思います。私の妻は生後4ヶ月の時に、母親を中耳炎(現在では中耳炎くらいで死ぬなど考えられません。)で亡くしたのですが、ミルクが無くて重湯(おもゆ)だけで育てられたということです。
 また、敵性語としてカタカナの呼称が一切禁止されました。その一例を列記してみましょう。サッカー⇒蹴球(しゅうきゅう)、ゴルフ⇒打球・芝球、アナウンサー⇒放送員、カレーライス⇒辛味入り汁かけ飯等、また都市の名前ではサンフランシスコ⇒桑港、イギリス⇒英国等。世界中の国名・都市名に漢字を当て嵌めたのです。笑っちゃいますね。
 
 次の辰年は小学校六年生(昭和27年)の時でした。小学校の卒業生全員が書いた謄写版印刷の「思い出の文集」が手元にありますので、その中から私が書いたものを少し引用してみましょう。(原文のまま、※印は加筆)
 『「思えばいととしこの年月」と、「仰げば尊し」の歌にもあります様に、はや入学して以来六ヵ年。「朝夕なれにし学びの窓」日夏小学校校舎で、来る日も来る日も勉強して参りました。この六ヵ年の間に僕の一番思い出になった事は、一年生の時急に茂賀山に行くことになり弁当を取りに帰ったが、田圃へ行ってるすなので、仕方なしに茂賀山へいったが、昼食の時疋田隆雄君がおにぎりをあげようといったのでもらった。隆雄君の友情をあじわいながらよばれた(※いただいた)ときの、あのおいしかったこと。あの時のことを今考えると、人間は助け合わなければ、世の中を渡っていけないということが、よくあじわえました。』
 
 2度目の辰年は昭和39年(1964年)。長男が誕生し、東京オリンピックが開催された年ですが、父親の会社にいて、資金繰りに追われる日々でした。その4年前に、当時の首相である池田勇人が、国民の所得を10年で2倍にするという所得倍増計画を打ち出しましたが、中小企業の収入が2倍になるものではありませんでした。余談ですが、中国では過去10年間で、土地・給与・株式等が10倍になったそうです。
 
 3度目の辰年は昭和51年(1976年)。この頃から石材輸入業を開始し、墓石との関りが始まり、昭和55年1月からは墓石の小売業に業転することになったのです。この社長通信は今回で286号となりますが、昭和の時代から続けていることになります。毎月のことでネタが無く、毎回七転八倒しながら書いています。
 
 4度目の辰年は中年真っ盛りの昭和63年(1988年)。霊園開発に拍車がかかっていた時期です。バブルの頂点で、日経平均株価が3万円を超えました。消費税法案が強行採決されたのもこの年で、翌年昭和天皇のご崩御とともに、景気は下降線を辿り、「失われた20年」のスタートを切ることになります。

 そして、還暦(5回目の年男)は平成12年(2000年)に迎えました。
6回目の今年は株式を上場して14年目になります。石材業が主事業の会社で上場しているのは当社だけです。この業界は、ダーティーな部分も見受けられますが、それを正すべく、あえて参入したのです。
流石ニチリョクと云われる業績を上げるべく、全社をあげて頑張りましょう!

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