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社長通信

第329号 新霊園

2015年08月号

久し振りに私自身が途中ながら、全身全霊を注いで造った霊園が8月8日に正式オープンした。
 今年2月初旬、約75%の工事進捗度の横浜三保浄苑を見に行った。数少ない横浜に残された、四方を小山に囲まれた丘陵地を、ひな壇造成した申し分の無い環境であり設計である。こんな素晴らしいロケーションと造成なので、工事費も半端な額じゃない。当社はお寺から販売を請け負っているので、責任を持って売らねばならない。
 ここ数年、霊園の売れ行きが全国的に低迷している。この原因をいろいろ分析してみると、10年前は亡くなった人を葬るのは、霊園や墓地と言うのが常識であった。ところが、団塊の世代あたりが定年退職する時代に入るや、墓地を求める人が増えたのか、墓地不足が目立ち始めた。墓地は土地があるから開発できるものではなく、地方自治体が経営することが原則であるが、その不足を補おうにも、宗教法人や財団法人など非営利法人にしか経営許可が出ない。
 更に墓地不足に輪をかけたのが、環境保全を優先した緑地率や駐車場率の割合の条例による規制強化である。緑地率は全体の30%、駐車場数は墓地数の5%(墓地20基に一台分)、参道は1.2メートル以上(車椅子同士が交差可能)、住宅地との間には3メートル以上、これらの基準をクリアして、やっと許可が下りるのです。今回の三保浄苑は開発面積1万㎡の、その約1千㎡(1割)しか墓域(お墓)になっていないのです。従って、1区画あたりの開発コストが高くなり、庶民の手の出ない価格になっていきます。三保浄苑は墓地の永代使用料が1㎡当り80万円以上のコストになるのですが、ここで、「果たして私が消費者なら、その価格の妥当性を納得するか?」という疑問に突き当たったのです。
 お墓は何のために必要なのかと問えば、故人の供養・将来の安心・生きてきた証等々。霊園は宗教色の無い、無色であればあるだけ良いと言うのが販売現場の意見です。ところが、予定以上に販売好調な両国陵苑はお寺そのものの中に本堂があり、お坊さんがいて、納骨堂があります。墓地は宗教色が無いのが良いと言うなら、両国陵苑も室内のお墓なので売れないはずです。ところが、1年間に1500区画も売れているのですから、その論理には矛盾があります。
 三保浄苑はきれいに造成されつつあるが、宗教色が一切ないのは、ただのお骨の捨て場を造っているのではないか。堂内陵墓が売れるのは、全ての供養が一ヶ所で出来ると言う安心が、付加価値になっているからと思うのです。三保浄苑も宗教(仏教)という付加価値を付けないと、周りの霊園との差別化が図れない。図れないと、ただ、販売価格の競争だけに陥ってしまう。何とかしないと、と言う思いだけで急遽3月から改造を始めたわけです。但し、全ての設計が終わり許可を取得し、工事を進めているのですから、構造自体を変更できません。何をどのように変更して付加価値を付けるかがポイントになりました。
 お墓は手を合わすところ。自分の家のお墓だけではなく、何処を向いても「南無」と、手と手を合わせたくなる対象物が必要です。元々、滝がありましたが、その滝を岩組みに変更し、そのまん中に洞窟を造り、阿弥陀如来像を安置する。早速3月8日に中国に渡り、石造の大仏を依頼することにしました。ところが、重量が6トンにもなり、半分以上完成している霊園に搬入設置することは不可能と分かり、急きょ、石造から銅像に変更。そして滝の流れ着く所には、阿弥陀如来像と同じ大きさの永代供養観音像を設置すべく発注したのです。この2体の検査に霊園事業部長と共に、4月初めに再度中国に行き、更に9メートルの涅槃仏と、高さ5.8mの観世音菩薩の坐仏を発注。昼夜を分かたず作業してもらいました。
先ず、GWにブロンズを磨いた金ピカの大仏が2体入荷し、5月20日ころに設置することができました。あとの2体は7月22日に入荷し、7月26日に設置完了しました。道路を走る車が、霊園入り口に鎮座する大きな涅槃仏に一瞬驚き、スピードを緩めます。何れ横浜の名物になればよいなあと期待しています。
お墓の需要が増えるに従い、樹木葬、樹林葬、海洋葬、ロッカー式(仏壇式)納骨堂、自動搬送式納骨堂、合同墓(合葬墓)、永代供養墓等、お墓の選択肢が増えたために、霊園を作れば売れる時代は終わりました。三保浄苑は「魂の癒しの場」をコンセプトにしましたが、それをビジュアル化したのが横浜三保浄苑オープンのチラシです。

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