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社長通信

第330号 墓石業35周年

2015年09月号

ご存知のように来年の12月22日に当社は創立50周年を迎えますが、今年は墓石業に参入して35周年を迎えました。墓石業の前は色々なビジネスを手掛けてきましたが、40歳になり次は何をしようかと考えた時、それまでやっていた石材を主とした輸入業で見聞きした墓石の小売業界が面白そうで、これならトップも狙えるのじゃないかと始めた訳です。
 従来の販売先は墓石小売り業、造園工事業、墓石卸業者などですから、扱う商品は同じでも、小売りと卸売りでは全く異なるビジネスです。唯一知識があるのは商品としての墓石だけ。販売方法、工事方法、墓地経営の仕組みなど、全く未経験の世界です。また、それまでは商社ですから店舗は無く、考え付いたのが大手量販店の軒先商法です。否、墓石を店頭には置かせてくれないので、駐車場の一部を借りてする駐車場商法でした。
 もう一つ困った問題は、商社の時は、コンテナを輸入港からお客様のところへ運んで終わりなので、墓石を手で持つことがありません。小売りはお墓にお客様のご希望の文字を彫り、墓地へ運び、建て込むわけです。石は30㎝立方で約80㎏の重さがあります。家名を彫る棹石は最低でも130㎏になり、関取の体重ほどもある訳ですから、簡単に持てません。その上に、磨いているので滑りやすく、また角モチが悪いのです。墓石の角を何かに当てようものなら、ピンと欠けてしまいます。石は固いけれども脆いのです。
 墓石の小売りを始めるまでは、造園工事を行っていたので、造園工は数人いました。販売を始めるに当たり、墓石の据え付け工事がどんなものかを経験する必要があります。幸い知人がお墓を建てたいと聞き、3.3㎡(1坪)の外柵に8寸角の石塔を建てる工事を請け負いました。同じ石でも灯篭と墓石では扱い方が全く異なります。お墓に泥が付いては駄目なのです。建て込むための道具が何処で売っているかも分からない時代でした。それでも、社長以下役員総出で造園工と共に、雪の降る中、ゴム長靴姿で、土を運ぶ一輪車に墓石を乗せて運び、兎に角建てこみました。
 元々、輸入卸業は利幅の薄い商売で、小売をすればコンテナ1本の利益が、お墓1基と同じではないか!後はどうして販売するか、だけでした。そこで思いついたのがお墓のキャラバン販売です。ところが、設置する石職人がいないわけですから、か弱い私でも設営出来るようにしなければなりません。そこで考え付いたのが、「走るお墓展示場」。中古の4t車を買ってきて、荷台に8基の墓石を建てたのです。墓石を荷台に建てたまま、当社の駐車場からスーパーの駐車場にそのトラックを運び入れました。荷台から下の部分には紅白の幕を張り、運転席の上には大きな墓石の形を造り、棹石に相当する部分には、「墓石展示即売会」と書いたのです。荷台の墓石は8基。そのままの重量だと5割も重量オーバーですから、パワステでない当時、ハンドルが切れない上に、前輪が浮き上がって運転は不可能です。解決策として石の中をくり抜き軽量化し、5t以下にしたのですが、或る時登り坂に差し掛かり、エンストして交通の渋滞を起こしたことが忘れられません。
 初めて開催したのが神奈川県の量販店の駐車場。チラシを新聞折込し、お客様を待ちました。初日は土曜日だったと思いますが、来場者は5組ほど。
お話し中、あるお客様が、私のことを「何代目」ですかとの質問。石屋というのはそれほど歴史のある会社が多いのです。小売りになると石材、墓石の種類、仏教、僧侶、墓地、戒名などの知識が要ります。一夜漬けの知識だったのですが、一般の人より知っているのですから、長い経験のある石屋に見えたのでしょう。約9日間の販売期間で、30件ほどの契約が取れました。
 後日、工事を担当する常務が、墓石を建立する場所を見に行ったところ、車の入らない山の上の墓地が相当数あることが分かりました。数百㎏の重い石を、担ぎ上げるしかないのです。現場を見て見積もりすれば、お墓の価格は5割以上高くなって30件も受注できなかったと思います。そう言う失敗を経て、霊園を自社開発するようになった時、大型トラックが霊園内に入れることを前提にしました。それにより墓石やカロートを工場で組立てて霊園に運び、ラフタークレーンや、霊園内に固定設置したトンボクレーンを使って、1日に20から30件の建立をすると言う驚くべき省力化も達成しました。
 このように合理的販売・施工が墓石の低廉化に貢献しましたが、17年前から始めた機械搬送式納骨堂(堂内陵墓)は石を殆ど使いません。石を使わない(必要としない)お墓は石材専門業者には違和感があります。墓石を知らないお墓屋さんなればこそ、お客様の求めている物は何かを嗅ぎ取り、事業に生かすことができたのでは無いかと、35年を振り返って思うのです。 

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