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社長通信

第334号 ビルマ

2016年01月号

 昨年の12月29日出発の4泊6日でアウンサンスーチーさんのミャンマー(旧ビルマ)のヤンゴンに行ってきました。我々はスーチーさんと呼ぶことが多いのですが、ビルマには苗字がありません。アウンサン・スーチーの表記は間違いで、アウンサンスーチーが名前なのです。ビルマ独立の父アウンサン将軍の長女(1945年生まれ)で彼女が2歳になる年に暗殺されました。彼女は民主化運動家として3回に渡り、延べ20年間も自宅軟禁されていました。生家や、軟禁されていた家も見てきました。その家は湖岸に面し、米大使館の並びで、五百坪はあろうかと言う程の広さ、高い塀が張り巡らされ、中を覗き見る事は出来ませんでした。
ビルマが軍事政権になった時(一九八九年~二千十一年)に、130以上もの種族がいる多民族国家を統治するために、七割を占めるビルマ族を匂わすビルマの国名を廃止し「ミャンマー」に、また首都ラングーンは「ヤンゴン」に呼称変更しています。ビルマは、「ビルマの竪琴」、あるいは「戦場に掛ける橋」と言う映画と共に、5万人の日本人将兵が飢えと病気、あるいは戦死した「インパール作戦」という、史上最も無謀な作戦の舞台として有名です。太平洋戦争において、ビルマでは19万人の日本人が亡くなりました。ヤンゴン郊外に日本人墓地や供養塔が作られ、供養されています。「ビルマの竪琴」はビルマに放置されたままの遺骨を探し求めて、中井貴一扮する日本人が、ビルマ僧の姿で竪琴を弾きながら旅をすると言う設定です。
ビルマの僧は、音楽を奏でることは勿論のこと、聴くことも禁止されていることと、何よりもビルマ人に理解されないことは、遺骨を拾うと言う行為です。実は仕事柄、斎場や火葬場、霊園も見てきました。パゴダは日本のお寺と同じように、村々にあるのにその周りにお墓が無いのです。死ぬと「無」だから、火葬したお骨には何の意味もないと言うことで、大半の人は遺骨を火葬場に放置したままです。従ってお墓は要らないから石材業は成り立ちません。パゴダに熱心にお参りするのは、来世は現世より良い環境に生まれてくるようにと、祈っているのです。
小乗(上座)仏教では、パゴダや僧に手を合わせ、喜捨(寄付)することが積徳・積善であり供養と言われます。性欲、所有欲、出世欲など、この世の全ての欲望を絶ち、出家した僧は僧院で経典の勉強や読経、瞑想などの修行に励みます。また彼らは働くこと、お金に触れること、結婚することもタブーとされます。従って、信者は彼らが修行に専念できるよう食べ物や金銭を喜捨し、その生活を支えることが義務となります。街を歩いていると黄色の僧衣を着て胸に金属製の鉢を抱え、裸足で家々を歩き、経文を唱え米やお金の施しを受けて廻る托鉢の僧に度々会いました。隊列を組んで托鉢する尼僧も見ました。剃髪しているので子供の様です。
ビルマ族は一般の人も成人前に一回、成人後に一回出家し、得度する義務があります。短くて一週間から一か月ほど、外界と遮断した僧院で生活します。その期間は、家族にも彼女にも会えませんが、親を含めて世人より一段高い地位にあるとされます。朝一回のおかゆと正午前に一汁一采を食する他は、仏典の勉強や瞑想、托鉢を行い修行に励むのです。そうした経験の故か、ビルマの人々は六十数年前の貧しかった時の日本の状況と似ているのに、世俗的欲望が薄く、ゆったりとした生活をしているように見受けました。
アーケードの通路の真ん中や道路の脇に、僧侶の大きな顔写真入りのパネルを度々見かけました。法話会開催のお知らせポスターと言うことです。ビルマは尼僧も含め僧がたくさんいますが、僧も庶民も釈迦の教えを良く守っていること、庶民が僧を敬っていることが良く分かります。
 実質4日間の為、ヤンゴンを中心としたパゴダ(仏塔)巡りをし、その中に鎮座する仏像(釈迦仏)を数百体見てきました。仏塔はほぼ円錐形に造られています。大きな仏塔を取り巻く中小の仏塔は全て寄進されたもので、金箔が貼られ黄金色に輝いています。仏塔とはお釈迦さまそのものの事なので、車を降り、中に入る時には、靴下も脱ぎ裸足になります。短パンも胸のはだけたシャツも禁止されています。ただ、一等涼しい12月、1月でも最低気温は15度以上なので、裸足でも気持ちが良いものです。
仏像の前には、複数個、多い所では10個以上、大小のお賽銭箱が置かれ、全て中のお金が見えるようにガラス張りです。お賽銭箱にはビルマ文字で寄進先の名前が書かれています。パゴダ修復、大仏造営、金箔張替えなど、使途ごと10円程度の賽銭をいれます。参拝者は子供から老人まで何度も何度も手を合わせ、額を床に擦り付けてお祈りしています。またパゴダの中で家族が食事をしたり、昼寝をしたりしています。多分、自分の家よりパゴダの中が涼しく快適なようです。この様にビルマでは子供の時から仏塔・仏像・僧に親しんでいるので、敬虔な仏教徒が育つのでしょうね。

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