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社長通信

第339号 公私

2016年06月号

都民にとって何とも恥ずかしい舛添知事が辞めてくれた。ほぼ全ての発展途上国の経済以上の規模を持つ東京のトップは、飛行機はファーストクラス、また豪華ホテルのスイートに泊まる大名旅行が相応しいかもしれない。都知事は東京の王様なのです。王様は庶民のようなさもしいこと---家族旅行、回転すし、書籍の購入など、私的な費用を公金で支払ったりはしません。ところが公私混同見え見えのみみっちい使い方がばれ、批判の矢面にたった上に、東京の名誉の為にリオでのオリンピックが終わるまで知事をさせてくれと泣いて頼んだと言う。彼は政治学者であり、法律に明るいのは当然で、法律違反になるようなへまはしていないと思いますが、大事なのは政治家としての矜持であり、知識と資質のはずです。
 彼はケチで通っているが、ケチなのは生来の性格や環境も影響することなので悪いことではありません。ケチな人はその品性までは否定されていませんし、他人に迷惑を掛けている訳でもありません。非難されているのはセコさです。セコイ人は品性下劣と同じです。他人や公共の所有物を横取りしようとする狡さをセコイ人は持っているようです。今回の舛添知事は政治資金を家族旅行や飲食、あるいは趣味等私的に使ったと言う疑惑です。政治資金として集めたお金に所得税は課税されません。税金を払った残りのお金ではないのですから、税金を私的に使った疑惑になるのです。
 私がまだ子供のころ、我が故郷滋賀では「始末」と言う言葉をよく聞きました。ケチと始末は同義語のように思っている人もいますが、始末の意味は節約や倹約、すなわち無駄にお金は使わないことを言います。始末して貯めたお金は、使うべき時にドーンと使うのがケチと違うところです。
部下はトップに逆らえないが、トップの言動・評判は組織の隅々まで行き渡っているはず。コーヒーショップの18000円だけで、それが架空領収書であることを部下は見透かしているはずです。ばればれのことを臆面もなくやっているその神経が信じられません。舛添さんは勉強家で50冊に及ぶ書籍を出版しているし、弁舌も爽やかです。さらに母親の介護を永らくしたというから、都知事選の時私は迷わず舛添要一と書きました。ところが今回の件で、彼の書いていること・言っていること・やってきたことが、ほぼ嘘だったのです。彼を選んだ都民が悪いと言う人もいますが、彼に付いて選挙公報で知ること以上のことを知りようがありません。
海外旅行は権力欲を発揮するには絶好の機会です。都知事は王様ですから、歴代知事がやっていたことを、彼も前例に倣っただけだと思います。スケジュールの管理は全て部下がやっているのですから、飛行機代もホテル代も詳しくは知らなかったと思われます。
企業で公私混同の典型は飲食代です。飲食代を交際費として請求できるか否かは同席した人が誰であったかです。当社の場合は同席者名を領収書に明記することになっているので、舛添知事の様な不正は無いはずです。50年も社長を続けていて、何に一番気を使うかと言えば、社員が私をどのように見ているかです。私が公私混同をすれば、何の抵抗もなく社員の隅々までそれが伝わり、50周年を迎えることは不可能だったと思います。
組織のトップは誰よりも襟を正さなければならないと言うことです。任期途中で失脚した政治家の殆どが金まみれです。舛添知事は第三者の弁護士に領収書を精査してもらうと、記者会見で何十回と言いましたが、問題はそんなことではないと思います。税金を無駄に使いながら、法律のうわべだけの解釈で国民を支配する役人や政治家を「法匪」と言いますが、舛添知事はその典型でした。
舛添知事が別荘や選挙応援に行くのに公用車を使ったことを野党が問題にしましたが、
トップの仕事は何処からが公用であり、何処までが私用か分けづらいところがあります。オバマ大統領は常に核のボタンの入ったスーツケースを持ち歩いています。葬儀における当社のローテーションによる数人のディレクターは、いつ順番が巡ってくるか分からないので、ケータイ電話を持ち歩かねばなりません。自宅にいても酒を飲んで寝る訳にはいかないのです。葬儀ディレクターは実に大変な仕事だと思います。
 私は上場した時から車の運転を止めました。もし私が事故など起こしたら会社が大変なことになる訳ですから、車での移動は全て運転手に任せています。75歳の時免許証も返上しました。
舛添さんの問題は、公金の使い方であり、その区別が付けられない人は、組織のトップ、ましてや国家や自治体の首長になってはいけないと思うのです。本日(6月15日)になって漸く舛添さんは辞めることになりました。この社長通信は12日に出稿していたため、印刷を止め、急きょ一部書き直しました。彼がもう少し早く辞めていれば、死者に鞭を打つようなことを書くこともなかったと思います。彼は自業自得とは言え、これから生きていくうえに大変辛い思いをしなければならないと思われ、彼の家族に同情を禁じ得ません。

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